第7話「白百合に変身、切望」

「ソレイュ…デュッティ〜したいんだけど。私の知り合いが困っていて…。

知り合いのノゥジェルドがね、「周りが羨むほどのノゥジェルド」だったのに。アル男に招待された次の朝に、フラレンスは…姿を消してしまったんだ。

ソノ男は女好きらしくて、薄黒い噂はあるらしいけど、いまいち決定的なものがないらしいんだ。」

「いいぜ!なんか気の毒だ。」

ーーッ⁈安請け合いしやがって‼︎

ん?

なんか見比べられてる?

「いいだぉろ?モア?…駄目、か?」

「…うん。ソレイュ、イグニス役にぴったりだね!モアには、似合いそうなカァドがあるよ!」

!?

「わァ!やりてぇ!面白そう!!俺!イグニス役やる!!」

ーーはぁ⁈

 え?お前もくるの?

「当たり前だろ。ノゥジェルドにはイグニス役が必要…だろ!?」

 お前、ちゃんとできてる⁈

ーー失敗してめんどくさい事になったら、どうする‼︎

別に、ソレイュじゃなくても黙って言う事を聞いてくれれば、誰でもいい。

 店は?

「休みって事で閉めて行くさ!」

 素性は?

「私の遠縁って事にしよう。

噂もバラ撒いちゃうよっ!パァっと派手にね!!美人のフラレンスがいるって!」

 ちゃんと正体隠して、受け答え出来る?!

「その場に合わせるなら、店で慣れてっから!」

 本当に??

「心配ない。心配ない。」

ーーソレイュがすっかりやる気になってしまった…。

ダントンもやる気になってるし、逃げられない。

「ソレイュからモアに送られてくる手紙の多さ聞いて確信したんだ!モアならきっとなんとかしてくれるって!!」

「モア〜!!」

「「お願ぁぁあい!!」」

ーーはぁ。

 わかった。

「やったぁ!!俺、頑張っていいイグニス役やるぞぉ!!」

「じゃあ。モア、コレ。」 

 話が済んだなら帰る。

「モア、もう帰っちまうのか?」

 あぁ。


ーーダントンからの手紙。

その男は、バロンナィル。この圀では高い権威を持ってるらしい。

薄黒い噂って言うのは、その男が夜会に綺麗な妻を持つ夫婦を招待し、妻の貞操を奪ってしまう…らしい。

定かではない噂に、その男より下の権威しか持ち合わせていない男達から恐れられてるらしい。

ーーそれを調べろって事か…。

どうする?

夜こっそり、現場を確認するか?


「おう。モア!!お誘いが来たぞぉ!!」

ーー顔を煌めかせてソレイュが招待状をはためかせてる。

3日で招待状が届いた。

はやっ‼︎

「スヮリィは今日を入れて、7日後。それまでにソレイュには、立派なェトヮンティになって貰うよ。た た き こ む か ら。」

ーーダントンの最後の一言、迫力がすごい。

こうなったら完璧な夫役を目指してもらう。

「は、はぃ。」

ーーソレイュの顔から煌めきが消えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る