ニワトリ占い

女神なウサギ

第1話 とある占い屋

 そこは不思議な場所だった。A−1からA−10まで番号がふられたバケツの中に1羽ずつ雄のニワトリが入っている。BとCのバケツも同様。そんな横3列に並べられたバケツの左側に小さな机が置かれている。机の上にはカードが積まれていて占いと書かれた看板がここが占い屋であることを示していた。

 「すみません、占って欲しいんですけど」

店主はゆっくりと頷いた。店主の年齢は30代くらいで黒いローブをまとっている。

「何を占いましょうか」

「今年の人生運を」

「分かりました。では、このカードをよくシャッフルして一枚選んでください。私は見ないでいますから」

「なんだかマジックみたいですね」

私は言われたとおりにカードをシャッフルして店主に一枚渡した。

「では、バケツを選んできましょう」

店主は迷うことなくA−1のバケツを持ってきた。

「さて、あなたの選んだカードは何番でしょうかね」

カードをひっくり返すとA−1と書かれていた

「おめでとうございます。カードとバケツの番号が一致しましたね。今年はあなたにとって飛躍の年になりますよ」

「それは良かったです」

 そして私は代金を払い店を後にした






 

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