義理チョコ

「ねえ ちょっと話があるんだ」

仕事終わり 会社から出てきた女を呼び止め

路地裏に引き寄せる男

女「お疲れ様です お話って仕事のことですか？　

　 私 何かミスしました？」

心当たりのない女は困惑した表情をしている

男「違うよ コレ 間違えて僕に渡したでしょ」

そう言い小さな袋を見せる

女「あっ それって 今日 バレンタインですよね

日頃 お世話になってますので なので・・・」

男「だから僕に渡すのは これじゃなくて ねっ

知ってるよ そのカバンに高そうなチョコ入れてるの

それ 僕に渡すチョコだよね 早くちょうだい」

女 (なんなの この人 このチョコの事 なんで知ってるの

コレ 彼に渡そうと思ってるやつなのに)

男 「早く出して ねっ 早く」

女の腕を掴みカバンの中に手を入れようとする

女 「ちょっと 何するんですか やめてください」

振りほどこうとした時 運悪く カバンが男に当ってしまう

男 「何すんだよ 痛いだろ」

腹が立った男は 女の首に手をかけ力いっぱい首を絞める

力無くその場に倒れる女

彼女が動かなくなったのを確認し

女が持っていたカバンの中を物色し始める

男 「あった あった コレコレ」

カバンの中にチョコをみつけ その場で乱暴に包み紙を開け

貪り食う男