第42話 お姉ちゃんがおかしい

「おはよ〜」

「あ、お姉ちゃん。今日は起きるの遅いね〜デートに緊張して寝れなかったの〜」


 私は、いつも通りにお姉ちゃんをからかう感じで言った他、いつもとは違う反応をされた。


「う、うん。私ね。先輩とデートするの久々だし緊張して寝不足。先輩にこんな寝不足顔見せるの恥ずかしい。」

「え?てか、私?」


 お姉ちゃんと話していると、段々と変な点に気づいた。


 いつもお姉ちゃんは、牛乳をコップに注がずに直接口に運んでいる。何度も、注意しても直さないお姉ちゃんだが、コップに注いで飲んでいる。


 それに、髪の毛がボサボサの状態だけど今日は寝癖もない。


 おかしい。


 お母さんもおかしいと首を傾げている。


「ねえ、お母さん。」

「どうしたの?」

「私の服って、ちょっと男っぽいからお母さんの服貸して?」

「え、え、いつもは可愛い服とか買おうって言っても嫌って言う桃が!?」


 お姉ちゃんは、自分のクローゼットの中にある服にはお気に召すものがなかったようで、お母さんに服を借りようとしている。


 しかも、スカートだ。


 お姉ちゃんどうしたの?


 そう考えていると、一つだけ思い当たることがある。昨日、お姉ちゃんベットから落ちて頭打っていた。


「そ、そうだ。昨日ベットから落ちてお姉ちゃん頭打ってた。」

「え、そうなの。だから、女の子っぽくなったのね。母親としては、少し嬉しいけども、早く元に戻って欲しいはね。」


 病院に連れて行こうという案も出たが、私達のことも覚えているし、一時的なものだろうと言うことでとりあえず今日明日は様子を見る事になった



 そこで、お兄ちゃんにナインをして先に状況を伝える事にした。


 お姉ちゃんは、今は乙女。


 もし、お兄ちゃんの対応を間違えればどんなことが起こるか分からない。


 なので、お兄ちゃんにナインで伝えた。


 お姉ちゃんは、オシャレをして家を出て行った。


 ******


 結奈ちゃんから、ナインが来た。


『お兄ちゃん。昨日お姉ちゃんが頭打ったからか性格がめっちゃ変わってる。今日お兄ちゃとデートって聞いたから頑張って!!』


 と言う内容だった。


『え、大丈夫?病院とか行かなくて?』

『まあ、記憶には問題ないから大丈夫だと思う。まあ、時間が経っても戻らなかったら病院連れて行くよ。』

『わかった』


 宮村が、頭を打って性格が変わったらしい。性格が変わっただけで、記憶がある状態らしいが....どんな状態!?


 っと、若干楽しみにしていた。


「あ、先輩〜」

「おう」


 なんだ、いつも通りの宮村じゃないか...?


 い、いや、なんか違う。


 宮村が、スカートを履いている。いつもなら、制服以外ではスカートを履きたがらない宮村がスカートを履いている!?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る