第7話 いい加減にしろ

「おいあれ見てみろよ」

「なんだなんだ?」

「うわかっけぇ」

「しかも女の子2人めっちゃ可愛い!」


 何かすごい騒がれてるんですが。それに視線も凄いんですが。

 俺何かしました?別に派手な装備とか付けてる覚え無いんだけどな……

 確かに武器から少し魔力が漏れ出てるせいか発光してるように見えるかもだけどそんなか?


「スズ、シズ、俺はこれから受付して来るからここで待っててね。後今から俺の事はあるじじゃなくて正人って呼ぶこと、いい?」


 俺は万が一に備えてここでは正人って呼ばせる事にした。もし万が一皆の前で2人が俺の事をあるじなんて2人が言ったら周りの人から何て思われるか……想像しただけで怖い。


「お父さんって呼んじゃダメ?」

「お、お父さん⁉︎」


 おいおい急に何を言うんですかシズさんや確かにもう2人のお父さんみたいなものだけどちょっと危なすぎやしませんか?せめてお兄ちゃんならまだしも。


「ダメに決まってるだろ、家の中ならともかく外でましてやダンジョンで……せめてお兄ちゃんにしてくれ。」

「えぇー」

「スズもお父さんって呼びたいの」

「ダメなものはダメ!正人かお兄ちゃんにしてくれ。」


 本当に世間的に死ぬからお父さんだけは勘弁だ、本当は呼ばれたいけどやっぱり外はダメ!


「しょうがないからお兄ちゃんにするの。」

「うん、今回はお兄ちゃんで我慢する。」

「ありがとな2人共、それじゃあ受付してくるね」


 うぐぅ、そんなしょんぼりした顔されるとつい許したくなる……けどここは心を鬼にしなくては。

 けどぉ、やっぱり許したいよ。


 2人のしょんぼりした顔を見て俺は死にそうになるほど申し訳なくなってしまった。


 やっぱり俺2人に甘すぎる?


「すみません受付お願いしても良いですか?」

「あ、あなたは……副会長の息子さんですね、お話は聞いています。」

「そうなんですか?」

「えぇ、数時間前に副会長直々に、それとこちら正人様、スズ様、シズ様の探索者カードです。」

「ありがとうございます。」


 父さん仕事早いな〜いつも母さんに叱られてばっかの父さんが立派になったもんだ。


「では気を付けて行ってらっしゃいませ。」

「はいありがとうございます、ではまた。」

「はい。」


 受付を終えた俺はスズとシズの所へ戻る。


「よしこれで本当にダンジョンへ入れるな…おーいスズシズー、受付終わったぞって……ん?」


 俺の目線の先にはスズとシズに言い寄ってるっぽい野郎2人と明らかに嫌がってるスズとシズがいる。


「ねぇそこのお嬢ちゃん、俺達と一緒にダンジョン行こうよ!俺達Cランクの探索者でダンジョンの事結構知ってるから案内できるし快適に探索できるよ!」


 よくいるチャラ男らしき野郎2人(俺の偏見100%)がいやらしい目で2人を見ながら話しかける。


「やだ、お前弱い。それに待ち人いる。」


 シズがとても嫌そうな目でバッサリとチャラ男の誘いを切り捨てる。


「おいおい流石にそんな言われ方すると傷付くぜ?それに君達新人だろ?せっかく先輩がダンジョンの事教えてやるって言ってるのに断るの?」

「しつこい、嫌なものは嫌!分かったならさっさと消えて!」


 またもスズがチャラ男2人に容赦なくそう吐き捨てる。

 そう言われたチャラ男の方は見るからにピキッている。


「てめぇガキの分際でこの俺に生意気な口を聞きやがって……ブッ飛ばす!」


 そう言ってチャラ男が腰に掛けていた剣を抜いてシズに向ける。

 これはヤバいと見ていた周りの人達がざわざわと騒ぎ始める。


「流石に止めるか。」


 潔くその場を離れるならこのまま見ているつもりだったが武器を抜いたなら話は別だ。

 それにスズとシズはまだ加減を知らない。だから殺してしまかもだから俺が止める。

 異世界でも同じ様な事があったからな〜あの時は大変だった。

 チャラ男2人が肉塊になる前に早く止めなきゃ。


「おいそこのチャラ男2人いい加減にしろ。」

「あぁ?んだとコラ、テメェもぶっ飛ばされたいのか?あぁ?」


 ブチギレて剣を構えているチャラ男Aの肩を軽く叩いたら案の定俺にもキレてきた。


「しょうがない。大人しく気絶しろ。」


 俺の威圧系のスキルだとチャラ男2人を再起不能にしちゃうかもだから超絶手加減した手刀で気絶させた。


「ごめんな2人共、帰りになんかスイーツ買ってやるから許してな?」

「別に平気。それよりこの雑魚2人はどうする?」

「ある…お兄ちゃんシズもスズも我慢したよ!だから褒めて!」

「偉いぞ2人共!よーしよしよしよしぃ。」


 お利口さんな2人の頭を撫でる。

 2人はとても満足そうなので良かった。



 チャラ男2人をさっきの受付のお姉さんにしっかり届け、ようやくダンジョンの入り口にたどり着いた。


「じゃあ早速ダンジョン潜りますか!」

「「うん!」」



 あとがき


 読者の皆様こんばんは!


 ダンジョンへ潜るまで流石に少し長過ぎますよね?本当にごめんなさいです。

 次回は遂にダンジョンへ潜るのでお許し下さい。

 やっぱり可愛い女の子には言い寄って来るチャラ男は定番だと思ったので書いちゃったんです。

 ちなみにシズがあのままチャラ男と戦っていたら残酷描写ありを付けざるを得なかったですね(苦笑)


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