あとがき「オルゲルと不実李」

猪鹿珠

四苦八苦しつつも

 日々数千単位の作品が投稿され、カクコンともなれば2万前後の作品がアップされる中、オルゲルを見つけてくださった皆さん、さらに最後まで読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。ご縁と思いに感謝するばかりです。二次創作やツイッターから入ってきてくださった方もいらっしゃるかと思います。あらためてご覧いただき、ありがとうございます!


 あとがきなので本編の最後にくっつけたかったのですが、今やると更新したということになってしまい、カクコンの規定違反になってしまうので、別枠でアップします。




 最終話を投稿し終えてからそろそろ一週間、あとがきをアップするにはひとあし遅い気もするし、今回あとがき自体なくてもいい気もするけれど、今まで何を書いても能書きはつけてきたから、やっぱり書くことにした。


 それにしても完成までに本当に長くかかってしまった。最初に書き始めたのが2021年の3月か5月だ。20万字の長編とは言え、過去似たような文字数の作品でも一年とはかからなかったのに、全く何をやっていたのかと自分に呆れてしまう。オリジナルである分、ああも書けるこうも書けると自由すぎた分、取捨選択が非常に難しかった。そうしていろいろ浮かぶわりには自分の中で決定打と思えるようなものはなかなか浮かばなかった。そうして気がつけば二年、去年2023年の6月末に一度完結させ、しばらくは放置していた。カクヨム登録とカクコン9を機会にようやっと本当の完成と公表という次第だ。


 でも久々のオリジナルは楽しかった。また何か書くぞと思える程度には楽しかった。


 私が小説を書き始めたのは大学のころで、そのころは一次も二次も書いていた。ただ、本当に少しか書いていなかった。年に一本か二本程度。小説そのものをまあまあ書くようになったのは社会人になってからで、コミケに初めてサークル参加したのも社会人一年目の夏コミだった。以後はもっぱら二次創作だった。


 オリジナルもやりたいと思うようになったのは、友人の松尾マアタさんに協力して彼女が現在新書館のウィングスで連載している「リラと花虻、嵐の中。」のベースを二人で作ったことだった。あれやこれやと一から考えて作っているうちに、自分の方でも何か作りたくなった。脳のずっと使っていなかった部分を使ってみたら意外なほど活性化したのだった。ただ、自分も何かやるとなったためにマアタさんには不義理をすることになってしまった。快諾してくれたが、それはそれで申し訳なく思っている。


 今回の話に戻る。いろいろ思い浮かんだわりにはあのラストはずいぶん安直じゃないかと、これを書き始めたころの自分だったら絶対思っていた。でも途中へのいろいろな不満はありつつも、今の私はあのラストがとても気に入っている。オルゲルのひとまずの物語の結びとしてはあれしかないし、あれ以外書きたくない。ただ、あそこまで連れていくというそれだけのことが、自分にとっても本当に難しかった。カクヨムという宇宙なみに広大で混沌とした場所ではあるけれど、俱李ぐりと一緒にオルゲルは今娑婆にいる。彼女があの後どうやって生きていくのか、その後数日のできごとまで書いた方がいいような気もしたけれど、蛇足に思えた。


 この作品世界や設定はとても好きになったので、主人公を変えてまた別の話を書きたいと思っている。完成がいつになるのかは分からないけど、時間と体力をうまく使ってやっていきたいと思っています。


 あらためまして、ありがとうございました。

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あとがき「オルゲルと不実李」 猪鹿珠 @sisikan522

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