第2話 お姉ちゃん

 家に帰り仕事から帰ってきたお姉ちゃんに真っ先に話してみた。


「お姉ちゃんお姉ちゃん、今日ミクちゃんの誕生日祝いのラバストつけている子を見つけた。」


「ええ〜、それはなかなかいないね!大発見じゃん。」


「そうなんだよね〜。私の中では初めてのことなので驚いちゃった。」


「話したの?」


「ムリムリムリムリ!一度も話したことない男の子だよ。話せるわけないじゃん。」


「でも誕生日を祝うラバストをつけていたというのは、レベルが高いと思うね。」


「お姉ちゃんもそう思った?私もなんだよね〜。」


「普通のラバストならともかく、お誕生日祝いのラバストっていったら、なかなか手に入れにくいよね。ということはわざわざ買いに行っているということだから、けっこうなファンなのではないかと思う。」


「私もそう思ったんだよね。」


「彼の実力が知りたいわね。話してきてよ。」


「だからムリだって。男の子に話しかけるの恥ずかしいよ。」


「なんで〜、隣の席でしょ?」


「でも、話切り出して引かれたらどうするの?」


「気にしなきゃいいじゃん。」


「しばらく席替えないから、気まずいままずっといるの嫌だよ。」


「そっかぁ、でもこんなチャンスないと思うよ〜。お姉ちゃんはなかったな。」


「無理だよ...。」


「え?普通に話しかければいいじゃん。私もその子好きなんだよね〜。ぐらいな感じで。」


「それで軽蔑されたらどうするの!」


「そのときはそのときよ。でもお姉ちゃんの勘だと、いけると思うけれどなぁ。」


「なんで?見たこともない子なのにわかるの?」


「そこら辺はもう社会人ですから、年の功ですよ。まあ、女の子ならともかく、男の子だと話しかけにくいよね。」


「どっちでもしにくいけれど…。」


「じゃあこちらも何かもうちょっとわかりやすく、何かグッズをつけて登校してみれば?」


「わかったやってみる。」


まずはできることから、なのかな?

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