◆光と闇は一つに
ココは片想いしていた男性と抱き合い、戦友のカカとケケは互いに生還を喜んだ。三人も大喜びし、全員で抱き合っていた。キキが言った。
「光も闇も、みんな一緒に楽しくしよう!」
「いや、私たちはもう光の人間でも闇の人間でもないわ。今ではみんな同じ、人間よ」
ククに直されて、キキは少し照れた。
「ああ、そうだった!」
三人は声を上げて大笑いした。
その後、シャドはククに自分の気持ちを伝える。
「僕たちには、自分の意志で生きる自由も与えられた。でも、これからどうしていくかという責任も与えられた。だから僕はキミと結婚したい。……キミと自由に愛し合い、キミを守る責任を果たすために!」
「ええ、喜んで!」
二人を見守っていた人びとは歓声を上げた。後日、二人の結婚の儀式が行われた。ククは弟キキに別れを告げ、闇の国へ移った。
一方のキキは生まれ故郷へ戻り、そこで光の国を建て、王となった。ククとシャドの方も夫婦で協力して、闇の国で善政を敷いた。
光の国と闇の国、両方とも異民族同士の結婚と交流を認めた。
残った人間たちは自由な時間を手に入れた。更にドワーフの末裔から様々な技術を伝えられ、道具の改良に積極的になった。
こうして人間は、魔法ではなく道具に頼って生活を送るようになる。
またそれと、光と闇の人間同士が交わるようになったことも加わって、魔法の力を退化させていく。そして現代、人間は魔法を使うことができなくなった。
ーおわりー
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