◆聖杯の神殿

 数々の激戦の末、気がつけば三人は聖杯の神殿にいた。それは、光と闇どっちもが聖杯を同時に手に入れた、すなわち引き分けという結果を意味していた。


 最初にキキが聖杯を持ち、祈る。


「みんなが楽しく暮らせる世界になりますように」


 次にククへ聖杯が渡る。


「光と闇、違う者同士、互いが幸せに共存できる世界になりますように」


 シャドへ聖杯が渡る。


「自分のことを自由に決められる生き方ができるように」


 聖杯は次から次へと渡り、すべての人々は心を合わせてお祈りした。


「これは……ただちに会議を開かねば」


 人々の願いを聞いた神々は緊急で、それぞれの陣営内で会議を開いた。

 はじめは意見がうまくまとまらず、話し合いが何日も続いた。最終的に一つの結論が出され、一人残らず全員賛成したことで話はまとまった。


 そして各グループの首長が意見をまとめ、最後に両方の巨神が直接話し合った。


「光と闇、お互いがお互いを滅ぼせば、結果としてすべてが滅びてしまう。このような悲劇を繰り返さないためにも今後、神々同士の戦争はもう二度としない」


 会議の結果、神々は人間の意思を尊重することに決めた。


「この星の未来は、人間に任せるとしよう」


 最後に神々はそう人間たちに告げると、この星を去った。

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