百合カップルがラブラブしながら百合の花の型抜きでクッキーを作る話

あらすじ

【この二人はクッキー生地を作り終え、いよいよ型抜きを始めようとしておりました。】



A「ねえB、一緒に型抜きしよ?」

B「は? なんで?」

A「一緒にしたいから…」

B「Aのことだから二人で一つずつやるんでしょ? 時間の無駄」

A「お願い…B…」

AはBに上目遣いをした。そしてBはAの勢いに負けてしまった。

B「はぁ…。……まあ、あとでキスしてくれるならいいけど?」

A「ありがとうB!」

ちゅっ。

B「今してって言ってないよね!?」




 紆余曲折あり、遂にAとBが型抜きをします。そしてAが、百合の花の型抜きを持ってきました。

A「これどうかな?」

B「お、いいじゃん!」

A「ありがとうB!これ、3Dプリンターで作ったんだ。百合の花の型抜き。」

B「Aって何でも出来るよね。アタシとは大違いだな」

A「でもBと一緒にするのが好き!」

B「え!?」

A「共同作業、だね…」

B「うるせえ黙れ」


とか言いつつも最終的に二人で手を重ね、

A「ふふっ。上手になったね、B。」

B「何回、させられてると、思ってんの…?」

A「いっぱい一緒にやってるもんね。」

B「こうなったの…Aのせいだから!」

A「ほら、もう少しだよ?」

B「でも、こんなの初めてっ…」

A「だってこれでは、やったことないもんね?」

B「あっ…うまくいかな」

A「上手だよ?」

B「手握られながらするの、難し…」

 一緒に型抜きをしました。そりゃあ二人で一つの型抜きを同時に使うの、大変ですよね。常人ならやりません。

 彼女たちは前に何回もクッキーを作っているみたいなので慣れているらしいですが、やはり初めて使う百合の型抜きで作るのは大変だったみたいです。

B「す…すごい…」

A「…できちゃったね。」


B「こんなに綺麗な型抜きで、こんなに多くの百合の形のクッキー(焼く前)が出来るなんて!」

A「焼いたら一緒に食べよ」

B「お、ありがとう!」

 二人は綺麗に型抜きを使えたことに感動しました。

 そうしてクッキーはオーブンに入れられ、二人は焼き上がりを待つことにしました。

A「ところでB、」

B「ん?」

A「聞きたいことがあるんだけど…」

B「どした?」

A「さっき、『キスして』って言ってたよね?」

B「え、待ってそれは」

A「クッキー食べる前と食べたあとの両方で、Bのこと食べていい…?」

B「いや今日はそんな気分じゃ」

A「もう我慢できなくて…」

B「あ、ちょ」


こうして二人は、クッキーよりも甘いひとときを過ごしたのでした。

おしまい。

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美味しいクッキーの作り方 板谷空炉 @Scallops_Itaya

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