第2話 拠点にようこそ

「目が覚めたかい?」


しゃべる蛇、いやこの感触は蛇ではない、なにかが一匹。水いやスライムみたいな感触がする。こんな生物がいるのかとベタベタと触る。


「もういいかな?ここは我々の拠点セントラルアビスだ。」


よくみると洞窟の中だ。地面は芝生でお昼時のように明るい。というのに光源はない。


「あー、今何時ですか?親が心配するかも。」

「二〇時を今過ぎたところだよ。だけど大丈夫、君の複製体を向かわせた。やはりあの魔法少女と正面から殴り合うのは無謀だったらしい。君を危険な目に合わせてすまないね。」

「あの化け物よりただの女の子のほうがあほみたいに強いのがわからなかっただけです。しょうがないです。それより複製体」

「だから特訓をしよう。いろいろと教えないといけないことも多いしね。」


話を遮られる。まぁ、いいか、知りたいことも多いいし。


「まずは魔法からだ。魔法の源はこちらの世界のエネルギーだ。魔力とでも呼ぼう。君たちそちら側の世界の住人は変身することで魔力を使えるようになる。こちらとそちらの世界を結ぶ門になるんだ。そして君たちそちら側の人間は魔力を好きなエネルギーに変換できる。このエネルギーを変換する作業を魔法と呼ぶ。理解できたかな?」

「わかりやすい説明のおかげで。ところで複製体って」

「何が心配だい?複製体の記憶や感触は共有できるよう設定してる。」


確かに今お風呂に入っている感覚がする。だがそれより心配なのは……


「私は帰れますよね?親にばれずに」

「もし難しいならここに泊まっていくといい。ごちそうも用意しよう。」


そうじゃないんだけどなぁ。そう思いつつ、いつの間にか出されていたお茶を飲む。


「わかってますねぇ。」


ごちそうに期待ができる。

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