(三)-13(了)

「本当ですか? 山我さんから三十分程前に電話がありまして、審査はもう終わり、後は電話するだけだって。恐らく十三時ちょうどに電話があったと思いますけど……」

「ええっ」

 神先生が声を上げた。

「でもうちの電話、鳴りませんでしたよ」

 幸恵が言った。

「最近は携帯電話に架けることが多いですよ。私も協会から先生の連絡先を尋ねられたとき、携帯の番号をお伝えしておきましたので。かかって来ませんでしたか」

「あ、さっきの!」

 神先生と幸恵が、顔を見合った。

 すると、再びテーブルに置かれた先生の携帯電話が震え始めた。

 一堂は「あっ」と声を上げて、テーブルの上の携帯電話を見た。


(了)

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部屋に響く音【小説版】 筑紫榛名@9/8文学フリマ大阪 @HarunaTsukushi

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