第2話

誰も信じてくれなかった。幼馴染もクラスメイトも母も父も、姉も、義妹も、誰も信じてくれなかった。


そんな絶望の中に


「なら、私と一緒に幸せになろうよ」


________


「お兄ちゃん、本当にごめんなさい」


妹は謝る。


「・・・」


________


「私・・・本当は、お兄ちゃんのこと大好きで、だから今回のショックで自分でしてることが分からなくなって」


________


「大丈夫だよ。お兄ちゃん。私だけは、私だけは信じてるから」


_____


「私も、ずっと大好きだったよ。愛してるよ、お兄ちゃん」


______


「・・・・ずっと、騙しててごめんなさい。あの時に信じてあげられなくてごめんなさい」


妹は悲しく、さっきまで楽しく二人でデートしていたのに一瞬で浮気がバレた嫁のような彼女のような姿だ。


俺は考える。


春には冤罪の時に酷いことを沢山されたし、許せないと当時は思っていた。だけど、この世界で俺は本気で春を愛していた。過去のことを許してこれからも二人の幸せを考えたいくらいに


でも、俺には前の世界の花も愛していた。


痛い。心が痛い。選べないこんなの、こんなの


「ごめんなさい、お兄ちゃんごめんなさい」


「とりあえず、花と会うまで保留でいいかな」


「・・・待って、お兄ちゃん!!嫌だ。私じゃないと嫌だ」

春は泣きながら縋るように服を掴んでいる。


「・・・頼むよ。」


俺はこう言うしかなく、


「・・・最後は私と結婚してね。お兄ちゃん」


「・・・」


「約束してよ」


「・・・」


「してよ!!お兄ちゃん!!」


「・・・あの時のことがあるだろう!!」


「・・・っ」

義妹の顔は歪む。


「頼むよ。とりあえず、後にしようよ」


「・・・うん」

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