第2話
誰も信じてくれなかった。幼馴染もクラスメイトも母も父も、姉も、義妹も、誰も信じてくれなかった。
そんな絶望の中に
「なら、私と一緒に幸せになろうよ」
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「お兄ちゃん、本当にごめんなさい」
妹は謝る。
「・・・」
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「私・・・本当は、お兄ちゃんのこと大好きで、だから今回のショックで自分でしてることが分からなくなって」
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「大丈夫だよ。お兄ちゃん。私だけは、私だけは信じてるから」
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「私も、ずっと大好きだったよ。愛してるよ、お兄ちゃん」
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「・・・・ずっと、騙しててごめんなさい。あの時に信じてあげられなくてごめんなさい」
妹は悲しく、さっきまで楽しく二人でデートしていたのに一瞬で浮気がバレた嫁のような彼女のような姿だ。
俺は考える。
春には冤罪の時に酷いことを沢山されたし、許せないと当時は思っていた。だけど、この世界で俺は本気で春を愛していた。過去のことを許してこれからも二人の幸せを考えたいくらいに
でも、俺には前の世界の花も愛していた。
痛い。心が痛い。選べないこんなの、こんなの
「ごめんなさい、お兄ちゃんごめんなさい」
「とりあえず、花と会うまで保留でいいかな」
「・・・待って、お兄ちゃん!!嫌だ。私じゃないと嫌だ」
春は泣きながら縋るように服を掴んでいる。
「・・・頼むよ。」
俺はこう言うしかなく、
「・・・最後は私と結婚してね。お兄ちゃん」
「・・・」
「約束してよ」
「・・・」
「してよ!!お兄ちゃん!!」
「・・・あの時のことがあるだろう!!」
「・・・っ」
義妹の顔は歪む。
「頼むよ。とりあえず、後にしようよ」
「・・・うん」
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