第16話 キャバ嬢のドレスに包まれて(4月13日)

誕生日まで後8か月も先だけど、18歳になる前にウェディングドレスだけでなくキャバ嬢のドレスを着てみようかなと思っていた。

女装ファッションモデルから始まって6年が経ち、誕生日を迎える毎にエロ系の女子というのを目指せたらいいなという事も考えるようになり、色々なファッションも試せたらいいなという事もあれば――。

6限目の英語が終わった後で優里奈ちゃんはそう言った。

「高3になったばかりのうちらって、いつかはめっちゃ色気のある感じの女子を体験できる年でもあんねんなと思う。これから先の時期は清純派だけでなく、セクシー系な感じの女子を体験できる楽しみもあったらええなと思うで笑」

「確かにそうかも知れへん」

英語の授業内容を聞きに職員室から帰って来た真緒ちゃんは「うちも彩佳ちゃんと同じように女装ファッションモデルを始めた頃は少し戸惑いがあったけど、あっという間に成長したっていう感じやなと思うねんな。キャバ嬢のドレスのモデルっていつかは楽しんでみたいねんな」と言った。

夕方の4時半に高校を出てから歩いて15分程で京都駅に着くと、桜が散り始めていた。

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