第5回 戦闘シーンやちょっとエッチな挿絵をAIで作成する方法

「残酷な描写」「暴力の描写」「性描写」といったセルフレイティングにかかる投稿小説を書いている、物書きのみなさん、こんにちは。

 投稿した小説がエッチすぎると、カクヨム運営から注意されたことのある、なつきコインです。


 こちらの講座は、動画にしてYouTubeで配信しております。

 文字だけで分かり難いところは、そちらもご利用ください。

 https://www.youtube.com/@NaCO_ai/


 第一回の講座で、無料で挿絵を作成する方法を紹介しましたが、そこで使用したMicrosoftのCopilotは、簡単に無料で画像を作成することができるのですが、必ずしもこちらの希望する画像を無条件で作成してくれるわけではありません。

 こちらの希望する内容によっては、作成を拒否されることがあります。

 それが、一般的に公序良俗に反するもの、暴力的または攻撃的なもの、性的な表現を含むもの、または特定の個人や集団に対する差別的なものです。

 例えば、「セーラー服の少女が機関銃を乱射」といった画像を作成しよとしても拒否されます。

「水着姿の女性」といったのも駄目です。

 ですが「リゾートホテルのプールの中ではしゃぐ女性」で画像を生成すると、水着姿の女性が生成されることもありますので、水着の女性を生成することができないのではなくて、作成を拒否されているのです。


 セルフレイティングがかかるような小説の挿絵となれば、どうしても拒否の対象になるようなシーンになりがちです。エッチな小説の挿絵はやはりエッチでなくてはいけません。

 一度拒否されても、プロンプトを変えて何度も挑戦することにより、希望の画像が生成されることもありますが、他の画像生成方法を検討してみるのも一つの解決方法です。


 無料で、無条件に画像を作成できる方法となると、stable diffusion が第一候補となるでしょう。

 ですが、stable diffusion を利用するには、いろいろと越えなければならないハードルが高いです。

 そもそも、無料で利用できるというものの、必要とされるパソコンの性能が高くないといけません。

 特に、グラフィックカードは、NVIDIA製のVRAM12GB以上が必要といわれています。


 それじゃあ、とても自分のパソコンじゃ無理じゃん。という方に朗報です。

 今まで利用できなかった低スペックのパソコンでも利用可能なForge というStable Diffusion のWebUI が利用できるようになりました。

 しかもForge は、今までのStable Diffusion WebUI では、自分でインストールが必要だった拡張機能が、基本的なものは初めから装備されている、初心者には優しい、手間なし仕様となっています。


 Stable Diffusion のWebUIとは

 WebUI(Web User Interface)は、ブラウザ上でStable Diffusionを操作できるようにしたものです。これにより、コマンドライン操作や複雑な設定を行うことなく、簡単に画像を生成したり、モデルの設定を調整することができます。

 例えるなら、自動車(Stable Diffusion)を運転するのに、マニュアルだと大変なので、オートマ(WebUI)を導入するといった感じです。

 一般的にStable Diffusion WebUI というと、Automatic1111のWebUI のことを指しますが、Stable Diffusion のWebUI には、他にも今回紹介するForge をはじめ、ComfyUI なども利用されています。


 さて、Forge を利用することでパソコンの性能がクリアできるとしても、そのForge を利用するにはどうしたらいいでしょう。

 そもそも、Stable Diffusionの導入が複雑で一筋縄ではいきません。

 python? git? コマンドプロンプトってなに? という人も少なくないでしょう。

 今までにStable Diffusionを利用しようとして、ここで挫折した人も多いはずです。


 しかし、今は簡単にStable Diffusionを導入する方法があります。


 それがStability Matrix を利用する方法です。

 Stability Matrix を利用すれば、Python や Git の知識がなくても、簡単に Stable Diffusionを導入でき、今回紹介するForge をはじめ、様々な Web UI をStability Matrix から利用することができます。また、モデルや LoRA ファイルをまとめて管理できます。


 モデルや LoRAとは

「モデル」とは、画像生成を行うために学習したデータセットやアルゴリズムの組み合わせのことです。特定のスタイルやジャンルに特化したモデルを使用することで、ユーザーは細かな指示をしなくても、自動的にそのスタイルの画像を生成することができます。

「LoRA 」は、モデルに追加学習を行うためのファイルです。特定の画像や画風を学習させることで、モデル単体では生成できないような画像を生成することができます。


 ということで、今回はStability Matrix でStable Diffusion WebUI Forge を利用する方法を紹介します。


 まずは、Stability Matrixをダウンロードします。


 google でStability Matrix と検索

 GitHub のページを開く


 または、リンク先を開く

 https://github.com/LykosAI/StabilityMatrix


 ページが開いたら、サイドバーのReleases をクリック


 記事作成時点での最新のバージョンはv2.9.3 です。


 Assets の中からStabilityMatrix-win-x64.zip をクリック


 パソコンのダウンロードフォルダに StabilityMatrix-win-x64.zip ファイルがダウンロードされるので、そのファイルを右クリックして、すべて展開(T)…していきます。

 このとき展開先は、C:\StabilityMatrix やD:\StabilityMatrix などに変更してから展開します。

 後々、トラブルの原因になるので、日本語のフォルダーや深い階層に展開することはやめましょう。

 使用していくと、モデルや出力した画像などにより、どんどんと容量が増えていきますので、十分に空き容量があるドライブに展開するようにしましょう。


 D:\StabilityMatrix として展開した場合

 D ドライブにStabilityMatrix というフォルダーができます。


 StabilityMatrix のフォルダーを開くと、中にStabilityMatrix.exe という実行ファイルができています。

 StabilityMatrix.exeをダブルクリックして実行します。


 警告画面が表示されますが、あわてずに詳細情報をクリック

 実行をクリック


 データフォルダの選択画面が表示されるので、Portableモードにチェックを入れて、続けるをクリック


 好きなUIをインストールして始めようの画面が表示される。

 Use ComfyUI With Inference が表示されますが、これは、閉じるをクリック。


 Stable Diffusion WebUI Forge をインストールします。


 Stable Diffusion WebUI Forge を選択する。


 クリックするとインストールが始まります。


 インストール中に、推奨Modelが表示されます。

 導入したいModelの画像をクリック

 選択すると、右上の〇にチェックが付く、複数選択することも可能

 モデル一つが、数ギガバイトあります。ドライブの空き容量に注意しましょう。

 選択したらDownloadをクリック

 ここでDownloadしなくても、後から追加できます。


 インストールにはかなり時間がかかります。

 左上にLaunchボタンが表示され、歯車の後にStable Diffusion WebUI Forgeと表示されればForgeのインストール完了です。

 終了時にダイアログを閉じるにチェックが付いていても閉じないことがあるので

 その場合はHide ボタンで閉じます。


 これで、Stability Matrix とStable Diffusion WebUI Forgeのインストールが完了したので、Stable Diffusion WebUI Forge を実行します。

 左上のLaunchボタンをクリックすればForgeがブラウザーで起動します。


 初回の起動は、ファイルをダウンロードするので時間がかかります。

 起動すると、下にWeb UIを開くのボタンが表示されます。

 自動で開かないときは、このボタンをクリックしてください。


 ブラウザーでForgeが利用できるようになったので、とりあえず画像を生成してみます。


 checkpoint のタブからcheckpoint(Model)を選択

 タブを切り替えずに、左上の Stable Diffusion checkpoint 欄からも選択できます。

 Checkpointの最初の読み込みには時間がかかります。


 Generation のタブに戻る。

 Prompt に生成したい画像の説明を英語で入力

 Generate ボタンをクリック、画像が表示されます。


 とりあえず画像の生成ができたでしょうか?

 あとはいろいろ自分で試してみてください。



 次回の起動のためにStabilityMatrix.exe のショートカットをデスクトップに作成するか、ウインドウのメニューの最近追加されたものから、右クリックで、Stability Matrixをスタートにピン留めしておくといいでしょう。


 それでは、今回は、この辺で。


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