第11話【再構築3:リスティング広告にお金をかけた→新規利用者ゲット、収益大幅UP】

そして、最後に、僕は宣伝広告費にお金をかけた。インターネットの検索画面に上位表示されるリスティング広告だ。多い時は、月に30万円使っている。一見高いように見えるが、週5で来てくれる利用者さんを1人ゲットしたら、二ヶ月で元が取れる。


しかし、一般的な福祉の事業所は、宣伝広告費にお金をかけているところは少ない印象だ。多店舗展開している事業所では、宣伝広告費にお金をかけているところもある。小さい事業所ほど、リスティング広告を実施した方が良い。


それは、リスティング広告は必要無くなったら、すぐに止められる。しかし、何かの媒体に載せてもらう契約は年間契約で、前払いだし、必要なくなっても掲載され続ける。つまりお金がかかり続ける。


だから、小さい会社ほど、リスティング広告をやった方がいい。これは福祉の会社だけに言えることじゃない。


結果的に、僕は、ピンチをチャンスに変えて、経営体制を整えて、定員でいっぱい笑顔いっぱいのB型作業所を作り上げた。もちろん、今は、リスティング広告には一切お金を使っていない。それでも、毎月数件の見学や通所希望の問い合わせが来る。周囲からは、「断ってばかりいても、もったいないし、もう一軒作ったら?と言われる」だけど、僕は、現場主義だ。もう一件作ったら、どちらかが疎かになってしまう気がしている。ただ、利用者さんが住まいのことで困っていると聞いて、グループホームを始めてしまった。利用者さんが犬を飼いたいというので、犬との共生型、グループホームにするつもりでいる。


「ピンチをチャンスに」と一言で言えてしまうが、その間の約1年間は、本当に何度もダメかもしれないとも思ったし、胃に穴が空きそうだったり、眠れぬ夜を過ごしたこともあるし、酔い潰れたこともあった。不安でたまらなくて、遅くまで仕事をして、それで不安を紛らわせたこともある。


だけど、今は、家族との時間を大切にして、定時で帰るし、健康のために酒もやめた。一時大変でも、神様は、誠実に頑張っている人を見放さない。

だから、今、体調が悪くて大変だという人も、ちゃんとやっていれば、いつかは、春がやってくると信じて、前向きに生きてほしい。

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福祉のお仕事〜私、B型作業所を経営しています 萩野吉保 @hagino_y

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