第1話 7人の共通点

僕は史霧。確か、家でゲームしてたはず。何で教室にいるんだ?

「…ここは?」

「いつもの教室みてぇだな」

「せっかく、推しのライブ映像見てたのに!早く帰らせてよ」

「あーめんどくせ!さっさと出ようぜ!…って、何だよドアあかねぇじゃん!」

「どうやら鍵がかかっているみたいだね。内側からは鍵が開かないみたいだ。鍵穴は外側にしか無さそうだよ」

「えー!最悪!閉じ込められたってことじゃん!」


 みんな好き勝手に騒いでいる。とにかく、何でここにいるのか心当たりがある人がいるかを確認したほうがいいな。なにか分かるかもしれない。

「とりあえず一旦落ち着こう!なんで俺達がここにいるか、わかる人はいる?」

辺りが静まり返る。そして、各々が考え出す。ある程度の沈黙の後、コジロウが

「…俺はないかな」と声を上げたが、力也に

「誰もお前の意見なんて聞いてねぇよ」と一蹴された。コジロウもこのような扱いを受けているのに慣れているようで、「へーへー、すんません」と悪びれもせず言っている。だが、この様子を見る限り、誰もわからなそうだ。またしても思い沈黙が流れる。その後、ひなたが恐る恐る、といった感じで口を開いた。

「……わからないけど、私、『不思議系霊感女子』って呼ばれてる。役に立つかはわからないけど」

「だから何だよ」またしても力也が口を挟む。ひなたは縮こまったが、

「まぁまぁ落ち着こ?私だって『純白の天使』って呼ばれてるし、そういう呼び方されてるの私やひなただけじゃなさそうだから何か関係あるのかも」

この時、僕はハッとした。僕も『歴戦の指揮官』と言われることがある。指揮を出すのが上手いからだ。自覚はないんだが。けれど、集まっている人の共通点はこのような異名があることなのかもしれない。

「あの、こういう呼び方されてないって人はいる?」

力也が手を上げた。

コジロウが茶化すように言う。

「力也が怖くて直接言ってるわけじゃないけど、みんな力也のこと『即発の暴君』って呼んでるよ。」力也が舌打ちする。だが本人も言われるようなことをしているだけの自覚があるのか、舌打ちのみだった。

「決まりだね。それじゃあみんな異名があるってわけだ」僕がそう結論づけると、

「そんなのがあるからなんなのよ!早く帰らせてよ!」と柑奈が騒ぐ。

「うるせぇよ『ヤミカワお嬢様』」と力也が嫌味のように言った。柑奈は自己中心的な所が多いので名字の「闇川」と自己中心的を表す「お嬢様」をかけて『ヤミカワお嬢様』という異名がついている。ヤミカワ要素は全くないのだが、顔だけで言えばかなり美人な方だろう。柑奈が口を開きかけたが、その前に徹也が

「一旦深呼吸しよう。僕たちが出られるためにできることってあるかな?」

と話を前に進めてくれた。第一話 ここはどこ?

僕は史霧。確か、家でゲームしてたはず。何で教室にいるんだ?

「…ここは?」

「いつもの教室みてぇだな」

「せっかく、推しのライブ映像見てたのに!早く帰らせてよ」

「あーめんどくせ!さっさと出ようぜ!…って、何だよドアあかねぇじゃん!」

「どうやら鍵がかかっているみたいだね。内側からは鍵が開かないみたいだ。鍵穴は外側にしか無さそうだよ」

「えー!最悪!閉じ込められたってことじゃん!」


 みんな好き勝手に騒いでいる。とにかく、何でここにいるのか心当たりがある人がいるかを確認したほうがいいな。なにか分かるかもしれない。

「とりあえず一旦落ち着こう!なんで俺達がここにいるか、わかる人はいる?」

辺りが静まり返る。そして、各々が考え出す。ある程度の沈黙の後、コジロウが

「…俺はないかな」と声を上げたが、力也に

「誰もお前の意見なんて聞いてねぇよ」と一蹴された。コジロウもこのような扱いを受けているのに慣れているようで、「へーへー、すんません」と悪びれもせず言っている。だが、この様子を見る限り、誰もわからなそうだ。またしても思い沈黙が流れる。その後、ひなたが恐る恐る、といった感じで口を開いた。

「……わからないけど、私、『不思議系霊感女子』って呼ばれてる。役に立つかはわからないけど」

「だから何だよ」またしても力也が口を挟む。ひなたは縮こまったが、

「まぁまぁ落ち着こ?私だって『純白の天使』って呼ばれてるし、そういう呼び方されてるの私やひなただけじゃなさそうだから何か関係あるのかも」

この時、僕はハッとした。僕も『歴戦の指揮官』と言われることがある。指揮を出すのが上手いからだ。自覚はないんだが。けれど、集まっている人の共通点はこのような異名があることなのかもしれない。

「あの、こういう呼び方されてないって人はいる?」

力也が手を上げた。

コジロウが茶化すように言う。

「力也が怖くて直接言ってるわけじゃないけど、みんな力也のこと『即発の暴君』って呼んでるよ。」力也が舌打ちする。だが本人も言われるようなことをしているだけの自覚があるのか、舌打ちのみだった。

「決まりだね。それじゃあみんな異名があるってわけだ」僕がそう結論づけると、

「そんなのがあるからなんなのよ!早く帰らせてよ!」と柑奈が騒ぐ。

「うるせぇよ『ヤミカワお嬢様』」と力也が嫌味のように言った。柑奈は自己中心的な所が多いので名字の「闇川」と自己中心的を表す「お嬢様」をかけて『ヤミカワお嬢様』という異名がついている。ヤミカワ要素は全くないのだが、顔だけで言えばかなり美人な方だろう。柑奈が口を開きかけたが、その前に徹也が

「一旦深呼吸しよう。僕たちが出られるためにできることってあるかな?」

と話を前に進めてくれた。さて、どうするか。

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