第2話 聖女様との出会い/聖女の力

転移魔法の発達した異世界ジアース。  

  

それにより、により、異世界と現代日本の往来が、可能になった現代で日本と異世界  

ジアースとの交流が生まれた地球の日本。  

  

今では、東京の街中で異世界人を見かけることも珍しくなくなった。  

  

バリスタの専門学校に通う沖田海人は、渋谷の喫茶店、CAFEブルースカイでウェイターのアルバイトをする  

 

俺、沖田海人は、ある日の閉店間近の夕暮れ時、3月も下旬で、桜の蕾も開花しそうな季節。 

 

 もうすぐ、新入学や新入社員の学生や社会人で喫茶が忙しくなる時期がくる。 

 

 喫茶店の外で道行く人たちに一生懸命に語り掛ける異世界人の美少女を見かける。天然の銀髪の髪は夕日を反射して綺麗だった。  

  

彼女を不振に思うもその美しさに見惚れ、まずは、喫茶店の中に入れて話を聞くことにする。  

  

 「わたしの話を聞いてください!もうすぐ、この地に異世界の魔王が復活するのです!」  

  

「そんな、まさか!世界はこの通り、平和なんだ。そんなことは起こるはずがないですよ」  

  

「ダメです。早く、迎撃態勢をとってください!わたしは、神からの天啓を受けてここへ来ました」  

  

  

神からの天啓?それは、いくら異世界人であっても、普通の人には起こらないことだ。  

もしかして、この方は......  

  

「もしかして、あなたは聖女様ですか?」沖田は、思わず、そう訊いていた。  

  

「はい、わたしは聖女。フィオナと申します」と、聖女と名乗る彼女は丁寧に頭を下げた。  

  

「本当に、聖女様なのですか?」  

  

聖女と名乗る彼女のことが、素直に信じることができなかった。  

  

この子は、中二病の類なのではと思ってしまうのだった。  

  

 彼女のことを不振に思った沖田は喫茶店の中に入れて話を聞くことにするのだった。 

 

 

 

「いったい、君は何をそんなに騒いでいたんですか?話を聞かせてもらってもいいですか?」 

銀髪美少女をカウンター席に座らせ、僕はカウンターの内側へと行き話を聞く。 

 

「はい、もうすぐこの地に魔王が復活してしまうのです。人々が危険な目に合い大変なことになってしまうのです。わたしは、女神からの天啓を受け、この地に、危険を知らせに来たのです」 

 

「女神からの天啓、聖女と言うのは本当だったのですか」 

 

(正直、胡散臭いことを言っている、眉唾ものだと思っていた) 

 

なにか聖女である証拠を見せて貰えませんか?俺の中で君は自称聖女でしかないので」 

 

「そうですか、わかりました。でも、どうやって証明すれば......」 

 

その時、ガシャーンとなにかが割れる音が聞こえてきた。 

 

「痛いよー!」と子どもの泣き声が聞こえる。 

 

「大変だ、女の子が割れたグラスの破片で指を切ったみたいだ!」 

 

周囲の男性が慌てた声を上げる。 

 

「それは、大変です」 

 

「今、救急箱を持ってきます」 

俺も、女の子の処置に当たろうとするも、彼女は、それを静止した。 

 

「その必要は無いです、ここはわたしが。聖女の出番です!」 

 

               *** 

 

「さあ、傷を見せてください」 

少女の座席まで行き少女と向き合う。 

「う、うん」女の子のは、緊張しながら傷を見せる。 

 

「良かった、傷は浅いですね」 

 

「治せるのか?」 

(これくらい、傷テープを貼っておけばいいのではと言うのは野暮だよな) 

「勿論です!」 

 

「お手並み拝見といこうか聖女の力いうものを」 

 

「汝を癒したまえ、ヒール!」 

 

「詠唱、短くない?あっさりしているな」 

 

「わたし、聖女ですから!」 

 

「スゴイな聖女!」 

 

すると切り傷はみるみるうちに塞がり、傷が完治してしまった。 

 

「わー!痛くなくなったよ。ありがとう、お姉さん!」女の子は元気いっぱいにお礼を言うと去っていった。 

 

 

「力は本物ということか」 

 

「信じてくれました?わたしが聖女だってことを」 

 

「そうだな、信じるよ」 

 

そういうことなら彼女のことを信用してもいいのかもしれない。 

 

「あの、僕に協力できることはありませんか?」 

東京に危機が迫るなら危険の回避に協力したかった。 

 

「え?いいのですか!?手伝ってもらっても」 

 

「いいよ。僕に出来ることならなんでも」 

 

「ありがとうございます、ありがとうございます!この御恩は必ずお返しします!」 

 

と大袈裟に感謝されてしまった。 

 

「あなたの話はわかりました。ところで、あなたは今夜の宿はあるのかですか?」 

 

「そ、それは...」困った様に眉を下げる聖女様。 

 

困っているのは分かっているのだけど、その様子が可愛い。 

 

 

「店長、ぶしつけなお願いのですが、彼女を泊めてあげることはできないですか?」 

 

「だが、断る、面倒臭いからな」 

 

「酷くないですか、あなた!」 

 

「そんなことを言うのなら沖田、お前が泊めてあげればいいじゃないか!」 

 

 

「なにを言っているんですか!俺は、男で彼女は女性なんですよ!?」 

 

 

「そんなものは見ればわかる!」お前は、私が男と女の区別が出来ないと思っているのか?失礼な奴め」 

 

「いや、そう意味じゃなくて、男性の家に女性を泊まらせるのはマズイということですよ!」 

 

「そうなのか?」 

 

 

「「そうですよ、なにかあったらどうするんですか?」 

 

 

「ほう、沖田は女を家に泊めたらなにかするということか?」 

 

「なに、言っているんですか!?なにもしませんよ」 

 

 

「なら、問題はないだろう。違うか?」 

 

「そ、それは......」 

 

「お嬢さん、そこの男が今晩、泊めてくれるそうだ。良かったな!」 

 

 

「ほんとうですか?いいのですか?わたしがお邪魔しても」と目を輝かせながら言ってくる。 

 

「いいよ。別に」 

 

「ありがとうございます!」と満面の笑みで感謝を告げられた。 

普通、知らない男の部屋なんか、嫌がるはずでは?と思うが、彼女は、そんなことはないようだ。 

 

これは、「やっぱりダメです」なんて断れるはずがない! 

 

「わたし、フィオナ・オランジェスとお申します。ふつつか者ですが、よろしくお願いします」と丁寧に頭を下げられた。 

 

 

それは、お嫁さんが新婚の挨拶で言うやつだ。と思ったが、今、それを告げるのはよしておいた。 

 

 こうして、沖田の自宅マンションに異世界の聖女様を泊めることになった。 

 

               *** 

フィオナさんとの出会いを夢に見ていた。 

 

そして、僕は目覚めた。体に漲った力と供に。 


               ***


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