第3話 偏差値と中学と私

 長男は模試よりも7偏差値が高い中学に合格した。

 長男は6校受けて3勝3敗。ただ、偏差値通りの合否ではなく、受験校の中での最難関校と本命校に合格した。

 一方、いわゆる滑り止めと言われる学校に落ちた。そこは一番初めの合格発表だったので、まずはネット上で発表を確認した。長男の番号はなかった。信じられずにわざわざ夜に一時間かけて学校まで行ったが、それでも掲示板に長男の受験番号はなかった。ネット上でないのだから、当たり前といえば当たり前である。それでもウチの子がまさかこの学校に落ちるはずはないと思っていた。

 そんな中、翌日は最難関校と本命校の合格発表。私は最難関校へ、妻と長男は本命校へ合格発表を見に行った。前日の不合格が頭の中を引きずっていた。

 中高一貫校はなぜか途中に坂が多い。学校までの道のりがやけに長く感じられる。学校までの坂を上がっていると長男から電話がかかってきた。合格の知らせだった。一足遅く私も最難関校の合格を確認。

 長男を見ていると合格した中学の勉強は楽しそうにやっていた。試験問題がおもしろかったらしい。試験問題との相性は偏差値を上回るほど合否に影響を与えるようだ。

 解答の正誤だけでなく、字の綺麗さとかも考慮に入れるらしい学校もあると聞く。私の悪筆を受け継いでしまったが、何とか改善した息子には高いハードルである。早く言ってよ。是非とも募集要項に明記してほしい。

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