第17話
レッドオークの弱点はズバリ、水魔法…ではなく斬撃だ。しかし、並の斬撃じゃあ水魔法と同じぐらいのダメージしか与えられない。じゃあどうするかというと、雷魔法でダメージを与えたから斬撃で倒すという倒し方だ。そうすると面白いぐらいにダメージが入る。
と、いうのも以前言ったと思うがレッドオークは元々水魔法が弱点なのだがある程度ダメージを与えると耐性が付いてしまい、水魔法ではほとんどダメージが通らないのだ。そして、火魔法の威力も上がっていくという鬼畜仕様だ。
俺も最初戦った時は水魔法と大太刀だけでひたっすらゴリ押しでなんとか勝ったが何十回何百回と戦っていくうちに色々な攻撃を試した結果、水魔法である程度ダメージを与えてから雷魔法で弱らせてから斬撃で倒すというやり方が一番効率的だった。今は流石にそこまでしなくても倒せるので大太刀をブンブン振って軽く倒している。
じゃあコメントするか。でもコメントって初めてなんだよな。何を伝えようか。まぁ一旦コメント欄を押してっと…………
あれ?ログインしてください???
………ログインするか。
◇◆◇◆◇◆
「ぐうう!」
「大丈夫?!」
「こっちは大丈夫だ。早く魔法を!」
「分かった!『ウォータースピアー』!」
「グオオオオオオオオ!!」
「ぐ!全然効いてない?!」
「はあああああ!」
「グオオオオオオオオ!!!」
「斬撃も効いてないだと?」
・あーくそ!何にも出てこない!
・そりゃあ第30階層のボスの情報なんて上層部しか知らないよ
・俺今ダンジョン教会に電話してる
・でかした!
・いやでも答えてくれないと思うぞ。というか答えてくれたとしても時間かかるだろ
・じゃあどうしたら……
「次は雷魔法を使ったらどうかしら?」
「うん!じゃあそうするよ!北条っちは離れてて!」
「ええ。じゃあ行くよ!『サンダーショット』!」
「グオオオオオオ!!!」
「効いてる……のか??」
「水魔法よりは効いてる気がするわ。でもこのままだとこっちの魔力が尽きそうね」
「ちくしょう!また持久戦かよ!」
・なんか矢川見てたら意外と余裕そうで草
・草
・まぁ持久戦多かったしなあ
・んあー!やっぱり情報がねえ!
・でもこのままだと『紅』が負けるぞ?
・あー今すぐ俺も助けに行きたい!
・お前じゃ瞬殺だろ
・それはそうだけどさ…
「『サンダーショット』4連!」
「グウォオオオオオオオオオ!」
「でもちょっとだけ効いてる!」
「でもこのままだと魔力が尽きるのはこちらの方よ。魔力ポーションはたくさんあるけどお腹タプタプになったら動けなくて死ぬわよ?」
「グオオオオ!」
「って危な!」
「しかもマグマも増えてきたしな。焼け死ぬのか魔力が尽きて死ぬのか。死ぬつもりはないがここから打開するにはかなり厳しいぞ」
・?!
・?!
・?!
・?!
・?!
・このコメントを今すぐ『紅』のメンバーに伝えろ!!
・まじかマジかまじか
・こんなことある?
・いいから早く!
「?なんかコメント欄が騒がしいが何かやったのか?」
「さあ?」
「ぐううううう、コメント見てんだったらこっち手伝えよぉ!」
「グオオオオオオオオ!!!」
最初は不思議に思っていた沙織と北条だったが、次のコメントを見て2人は目を大きく見開いた。
・『修羅』からレッドオークについて伝えたいことがあるらしい!!
◇◆◇◆◇◆
ふーやっとログインできた。メールアドレス打つのだるいって。おまけにアカウント持ってなかったし。とりあえず『修羅』って名前にはしたけど。さてと、これでやっと準備が出来たな。
コメントするか。いやスパチャの方がいいか。ええっと。
・誰か情報持ってないか?!
・誰か〜
・くっそ、ほんとに何にもないわ
・『修羅』
¥78800円
『紅』に伝えたいことがあるんだが誰か言ってくれるか?
・?!?!?!?!
・え?え?え?え?
・wwwwww
・さ、流石に釣り、だよねえ?
・でも78800円も出してるぞ笑
・え?本物??
・ていうか『修羅』って配信見るんだw
・というかこのコメントを『紅』のメンバーに気づかせろ!!
・おう!
・?!
・?!
何か二極化したな。俺のことを『紅』に伝えようとする人と未だに現実味がない人に。
でも俺だってアイドルが配信のコメントに現れたら発狂するな。
コメントの異変に気付いたのか『紅』のメンバーである沙織と北条がコメント欄を見始めた。
「な、なに?あの、あの、あの『修羅』がウチのコメント欄に?!」
「え?本物?だとしたらウチら凄くない?!」
「あ、ああ。そ、それで伝えたいこととは何だ…ですか?」
・北条敬語に直したな笑笑
・そりゃあね。ダンジョン探索者にとって目指すべき頂点の一角だもん
・『修羅』
あんまり参考にはならないとは思うが、『雷魔法』でダメージを与えるのまではいいが、Aランクモンスターは殆どは属性の違う魔法同士を同時にモンスターにぶつけたりしたら倒せるぞ。まぁレッドオークは魔法ではないがな。まぁもっというと剣士は"それ"が得意だ。
もちろんそれとは斬撃のことだ。でもそれも教えると彼らは成長することができなくなってしまう。それは俺にとっても好ましくない事態なので教えることはしなかった。
それに、これだけヒントを与えてもやられたらその程度だったということだ。
さぁ、後はのんびり見るだけだ。
◇◆◇◆◇◆
『修羅』のコメントがレッドオークを倒すヒントになるかもしれない。沙織と本条は互いに目を合わせると覚悟をした目で頷き合った。
「魔法ではない。そして剣士である本条が得意なものは……」
「剣だけだが。いやまて、もしかしたらそれが答えなのか…?」
「どういうこと?」
「おそらくは雷魔法で攻撃してから剣で攻撃するのがベストなのかもしれない」
「?!なるほど!そしたら雷魔法が効かなかったのも納得だわ!雷魔法を撃った後に剣で攻撃すればいいのね?」
「ああ!やっと勝機が見えてきたぞ!」
おー!嬉しいぞ!そこまでわかれば後はレッドオークを倒すだけだ。
——————————
作者&作品フォロー、☆レビューしていただけると執筆の励みになります。
特にコメントと星レビューは小説を書く意欲にもなります。
よろしくお願いいたします。
とあるダンジョン探索者の日常 カイドウ @nakkunjojo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。とあるダンジョン探索者の日常の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます