第17話 諸悪の根源である種の支配者
こうして、髪を靡かせ移動すること数十分。目の前に見えてきたのは、球体状の避難艇。そこには、瞳を潤ませながら佇む
「
愛する人を失った哀しみからか、
「ごめんね、待たせちゃって」
「いえ……それよりも
「どう? 似合うでしょ」
「……というよりも、それは救命胴衣ですか?」
「ふふっ。これはね、救命胴衣じゃなくて、ハンティングベスト」
「ハンティングベスト?」
「そう。収納が沢山あってね、とても便利なのよ。それに、すごく暖かいの」
「なるほど……今の世界は、こういったものが流行っているのですね」
「多分、サイズは大丈夫と思うから、着てみてくれる」
「はい、分かりました」
「どうですか?」
「うん、とっても似合ってるよ」
「本当ですか?
「そう、それは良かった。じゃあ、そろそろ行こうか」
「行くって、どこにですか?」
「決まってるじゃない。この場所にいても危険だから、街に行くのよ」
「危険……?」
「そう、のんびりしてる暇なんてないの。もしパラサイト・オーガに見つかってしまったら、食べられて一巻の終わりよ」
「ちょっと待って下さい。それって、寄生生物のことですか?」
「寄生生物?」
「はい。憑依されると角が生え、鬼のような風貌になってしまうという」
「まあ、そんな感じかな? というより、眠っていた割には、よく知っているのね」
パラサイト・オーガの生態について、
「知っているもなにも、ずっと追いかけてきた存在です」
「追いかけてきた?」
「そうです。私たちは鬼生体といい、諸悪の根源だった種を支配者。つまり、ロードと呼んでいました」
「それが、オーガと関係していると?」
確かな証拠はないが、パラサイト・オーガとロードは同じ存在に違いない。というのも、この生物の特徴は夜行性であり、人肉を好む習性がある。これは動物の捕食では存続できず、人を喰らうことで生きながらえるらしい。
そのためか、一度取り憑かれてしまうと元の姿には戻れず、亡者のように彷徨い歩く。それだけ危険な種族であり、元凶を断つために追いかけていたという。
「はい。ロードというのは、一度に沢山の卵を産み落とします。ですから、その存在は厄介であるため、本体を打ち砕かなくてはならなかった。といっても、本来ならこの惑星にいるはずのない存在。それが何故、ペンタスに生息しているのかが不思議なんです」
「いるはずのない…………存在?」
🪻《パラサイト・オーガ》~記憶の欠片を探し求めて……🪻 🍀みゆき🍀 @--miyuki--
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。🪻《パラサイト・オーガ》~記憶の欠片を探し求めて……🪻の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます