第4話 妖精!え?天使ですか⁉

 おはようございます!

 さあ、あの妖精はどこにいるのかなぁ?

 あ、いた。良かった帰ってなかった。


「そこの妖精、助けてくれないか?」


「妖精ィ?あんなのと一緒にしないで頂戴!私は天使よ!邪悪な魔力が顕現したから飛んできたの!」


 邪悪な魔力?あ、言われてからようやく自覚した!これか!どうやら途中でテンションが上がった時に出ていたらしい。

 汚れだと思っていた……え?私の8時間は?完全に無駄ってコト?

 これじゃぁクレバーな悪役は無理だな……


「どうしたのよ、そんなに落ち込んで。大丈夫?」


 あいつ、放出元が私だと気づいてないのか?

 天使か…堕天使を連れている悪役とか、どうだろう?

 ふむ、いいな。この魔力を……うん、自覚すると簡単に扱えるな。

 どうやったのかという説明は難しいな。どうやって息をするかと聞かれて、教えられないだろう?

 この言い回し、いいな。主人公から何か聞かれたときに使おう


「大丈夫?体に何か不調が?」


 もう少しで手が届く。

 流石にまだ魔力の放出はできないか。手に纏って触ろう。

 どうやら体内と体外では何か差があるようだな。先ほどこっそり試したが霧散してしまった。


「どうしたのよ?」


 よし、今だ!


「きゃあ!なn…」


 よし!触った!

 堕天しろ!


「あ、ああ…ア”ア”ああ”ア“ア“ア“ア“ァ」


「お”ま”え”…な”に”を”し”た”ァ”」


「う”ふ”ぅ”!」


 ボコボコボコ……バァン!

 私の目の前で、天使は身体の節々を破裂させ、それはそれは惨たらしく弾け飛んだ。


 えぇ……

 確かに「堕天するかなぁ」って見切り発車したけどさぁ

 死ぬの?こんな惨たらしく?

 供養しないと……ッハ!

 危なかった、ここで供養したら悪役じゃなくなる!いや力に振り回される善人RPでもいいが……ここは悪人っぽくいこう


「うるさい……お前らはみんなを助けなかったくせに、善人ぶるなぁ!」


「俺じゃなく、皆を…」


 よし!あ、一人称は「僕」がよかったかな?

 じゃあ後はこいつの死体(?)に唾かけて、足蹴にして…

 南無南無…ごめんね天使。ありがとう天使。

 おかげで方向性が定まってきた!


 私…いや俺は、

「この世の不条理に嘆く系悪役」だ!

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