第18話「筋肉100パーセント」

アクセサリーのお店から出て俺達は

次は何処へ行くか相談していた。


「いきなりのお高い買い物は心臓に悪いな」

「生徒会長、自重しろ」

「な、何ですか!あたくしはただ、真澄との愛の形ある証をですね!」

「オレらは一般人だ、生徒会長みたいに

お嬢様じゃねえ、金銭感覚が桁が違うんだよ、見ろよ、輪道の奴を指に数百万の代物をはめてるから周りをすげぇ警戒してるだろうが」


そう言って番長が俺を指差す、凛が俺の方に目を向けるが俺、今、結構余裕が無い。

俺は左手で右手を隠しながら周りを見回している。

とりあえず、何処か落ち着ける所へ行きたい

そう俺は提案した。


「喫茶店とかでしょうか?」

「そこのハンバーガー屋で良いんじゃねえか?」

「ファミリーレストランはどうかな?」


うん、見事に分かれたな。

しかも何で皆さん俺をみているのですか?

え?俺が決めるの?そう言うこと?

えーと、俺は喫茶店は何か行ったことが無いし、ハンバーガー屋は人が多いから

今の時間は人が少なそうなファミリーレストランでお願いします。


「いらっしゃいませーこちらのお席へどうぞ」


はい、やって来ましたファミリーレストラン

思った通り、朝の時間帯は人がまばらだ。

ひと息つこう。


「ふうー」

「真澄、ごめんなさい、負担でしたわね」

「いや、大丈夫、値段が物凄いから無くしたりしたら大変だし、凛が俺にプレゼントをしてくれた物だから負担には思ってないから」

「真澄・・・しゅき」

「何頼むよ?」

「僕は飲み物かな」

「あーもう11時前か軽く食い物でも頼むか」

「そうだね、真澄君、何にする?」

「うん?そうだなぁあんまりがっつりいっても移動がだるくなりそうだしサンドとか?」

「僕もそうしようかな、あっ!別の種類の

サンドイッチを頼んで分けない?」

「おっ、それ良いな、そうしようぜアリス」

「えへへ」

「オレは肉系のヤツにする輪道と伏義野、

被らせんなよ、ここのサンドは量がヤバい」

「番長、来たことあるの?」

「学園生割りが効いてかなり安く済むんでな

よく食べにくる、最初来たときは品物の絵を見て複数選んだが間違いだった」


少し遠い表情をしている番長、そんなに量が多かったのか。

ちなみに俺はミックス系、アリスは野菜系

凛はフルーツ系のサンドを頼んだ。

そして、運ばれて来た量を見て俺とアリスと凛は目を見開いた。

まず普通のサンドの大きさだが問題は量だ

いや、ここの店舗どうなってるの?!

コストは?!儲けは!?何でさ、食パン2斤

ほどの量がくるんだよ?!

普通に腹一杯になるわ!!

店員さんに聞くと笑顔で答えてくれた


「当店のサービスです♪」


だとさ、いや狂ってるだろ!

そりゃあ番長も遠い目をするよ!

番長を見ると震えていた。


「ふ、増えてやがるっ」


・・・マジかよ

え?いや、待とうか。増えてる?

前までは少なかったのか?もう少し?

え?なになに、1斤だけでしたと、言う事?

それでも多いけどさ、軽食の量を超えてるけどさ前はいつ来たの?

平日の2日前?この2日で何があったのこの店、売り上げとかかんがえてないのか?!


「あ、おいしい」

「うん、確かにおいしいが量がなあ」

「能力者は皆、食べる方ですがこの量はさすがに多いですわ」

「・・・料金を確認したが前と同じだったぞ」

「本気でどうなってるの?」

「明らかに売り上げを考えてないよね」

「二種類で良かったな、量的にさ」

「うん、軽くの量では無いよね」


メニューには特に何も記されていない。

ある意味で詐欺だ、軽くで良いからとサンドを頼んでドン!!・・・絶望を与えてくるとかどう言う事なのですか?

何とか食べきった俺達は腹ごなしの休憩がてらに公園に足を運んだ。


「うわあ、たべすぎだわ」

「僕達でも辛かったから真澄君は相当無理してない?大丈夫?」


ベンチに横になってお腹をさする俺にアリスは俺の隣に座り俺のお腹を心配する。


「お腹いっぱいで苦しい」

「だろうね、ちょっとごめんね」


アリスは何故か俺の頭を持ち上げてくる


「うん?」

「よいしょっ、と、どうかな?少しは楽?」


何とアリスは俺の頭をその柔らかな感触がする太ももに乗せて膝枕をしてきたのだ。


「お、おう、ありがと」

「ふふっ良かった」


アリスの笑顔が眩しい、と言うかすごく良い香りがする。

香水?いや、違うな個人香って奴?

ああー、お腹いっぱいだから眠たく───


《ハァーッハッハッハッハアッ!!》


大声で公園に響き渡る笑い声、何事かと俺は

起き上がり周りを見て、その存在を見つけてしまった。

全体的にたくましい肉体を持つ男、そう

朝に出会ったあの人よりもたくましい肉体だ

公園の中央にあるお立ち台のような所で

こちらに背中を見せつけながらポージングを決めている。


《バック ダブルバイセップス!!》


両腕を上げ内側に締め上げ背筋が逆三角に

まとめ挙げられて筋肉が浮き彫りになる。


「ひぃっ」

「うぅっ」


凛とアリスが小さく悲鳴をあげる。

うん、凄いね、いやそうじゃない。

確かボディビルのポージングの名前だったかな?

でもね、さすがにこれはない、白昼堂々と

ブーメランパンツだけってさ


「変態だ!!?」


いったい今日は何なんだ!?

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