エイリアン&ミックス



シスターに背中を押されて1歩踏み出したのはおそらくエイリアンと形容していた女の子。何故かベッドシーツをローブの様に体に巻きつけていて、てるてる坊主みたいになってる。


真面目な話。その子に見覚えは全くない。どこのどちらさんかサッパリわからない。なんでここに居るかもよく分からない。それはまぁムチムチシスターも同じだけども。もうそこら辺はいっか。今更だし。


ヒタヒタと足音を立ててエイリアンは俺の方へと歩いてくる。髪量が多くなんかモップみたい。前髪で目が隠れてるから表情はよく分からないのだが、なんか近くに寄ってくるにつれて頬が紅潮してきてる気がする。



「はぁ……はぁ……。まひろしぇんぱい……ハァハァ……!」



あとなんかハァハァしてる気がする。ふむ。ただならぬ雰囲気。なんだろなー。なんかなー。嫌な予感がなー。身の危険を感じるんだよなー。逃げたい。しかし椅子に鎖で拘束されている俺は動けない。


そんな俺の悪感はすぐさま現実のものとなる。


人の形を装っていたエイリアンの擬態が解かれた。



「キシャーーーッッッ!!!」



形態変化。ローブの様に纏っていたベットシーツがバサッ!と盛大に音を立てて解き放たれる。それはまさにロングコートの下はすっぽんぽんで深夜徘徊している全裸見せつけ変態おじさんが如く。というか完全一致。すっぽんぽんのエイリアンを直視しちゃいました。SAN値チェック!


大きく開いたベットシーツはまるで人一人なんて簡単に丸呑みしちゃう化け物の大口のようだった。それは確かに正しく。俺に飛びついてくるエイリアン。そうして俺はエイリアンと共にベットシーツの内側へ取り込まれてしまった。


その後のことはよく分からない。目の前は真っ暗で、拘束されていて抵抗も出来ない。なんかとってもメス臭い。発情したおんにゃのこのいい臭いがしやがる。これが脳に直接ひびきゅ。おおお、しゅごぉ。


俺は地球外生命体に成されるがまま取り込まれた。



「あっ、あっ、あ”っ、あ”あ”あ”ッッッーーー!!!本物ッ……!これがホンモノのォッ!しゅきしゅきしゅきしゅきしゅき!愛してる愛してるアイシテルッ!ん”ッ、ぶちゅうううううッッッ!じゅるじゅるじゅぞぞっじゅううううっ……!美味ひぃ……!まひろちゃんぱいおいひぃ!おお”ッーー……!これしゅごぉいっ!しゅごぃしゅごいっ!頭おがじぐな”ぢゃう”ッッッ!おがひぎゅなりゅうううううッッッ!!!おびょぉおおおおッッッ!!!」


「うわなにするやめっ……!のほっ……!?おっ、おっ、おっ……!しゅごっ!それしゅごいっ……!?」






◇◇◇





「そ、そんな……!」



シスター・ユキムラはその場に膝から崩れ落ちる。


心を通じあわせた。そう思っていたのに……。


真弘の元へと連れてきたエイリアンは秒で暴走した。生真弘を前にして理性が粉微塵に消し飛んだのだ 。


愛しの真弘がエイリアンに取り込まれてしまった。やはりこれは地球外生命体で、人類とは到底分かり合える存在ではなかったのだ。


ユキムラは選択を誤った。エイリアンはあの場に封印して置くべきだったのだ。解き放っていい存在ではなかったのだ。


その結果、真弘は……。



「うひっ、ウヒィッ……!とりこんじゃったッ……!オッ……!ンォッ……!まひほちぇんぱいのがなかにぃ……!イヒッ、イヒヒヒッ……!あびゅふっ、びゅふっ、びゅふふふふ……!」


「おほっ、しゅご……!それしゅごっ、キモチイイッ……!」



……………………。



「ちょっと初唯さん!?シーツの中で真弘様とナニをしているんですかッ!?ダメですダメです!そんなのいけませーーーんッ!」



激しく蠢くベットシーツの大きな塊。その中にはエイリアンとそれに取り込まれてしまった真弘。果たして内部でナニがおっぱじまってるのか、さっぱり分からない。分からないがとてもR15では描写出来ない事が起こっているのかも知れない。いや分からんし、とても見せられんのだけども。


ユキムラは取り込まれた真弘をエイリアンから引き離そうと頑張るが、まったくビクともしない。とても見せられないので超常的な力が働いてシーツを引き剥がすことも出来ない。その間もエイリアンの人類を取り込む行為は奇声を発しながら続く。



「ちょっとこれはどういうことですか!?」



流石の騒ぎに台所で洗い物をしていた瑠璃と詩良が何事かと現場に駆け付けくる。



「おひょおっ……!ながに、ながにぐだじゃいッ!ぜんぶぜんぶながにぐだじゃいッッッ……!お”っ、んぉお”お”お”お”お”ッッッーー……!!!」


「いぎゅぅうううッッッーー!」




……………………。





「真弘……何してるの?」


「いやホントにナニして、ナニが起こってるんですかコレッ!?!!」


「すいません……私が封印を解き放ってしまったばかりに……」


「兎にも角にも即刻ヤメさせますよ!手伝ってくださいッ!」





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る