第14話 学園入学

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おすすめレビューを下され。お願いです。

タイトルを大衆受けしそうなものに変えました。

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 前世での経験から、大量の視線を浴びることを苦手としている俺だが、今回は壇上の人物がすぐに話し始め、視線がそちらに移ったことで九死に一生を得た。


「以上で、第二学園の入学式を終わりにしようと思う。この後は担当の教員の指示に従い、行動するように。学園長 ミランダ・カーマイン」


 なんと、薄々察してはいたが、壇上の人物は学園長だったようだ。どうりで彼女の行動は人の注目を惹きつけるし、彼女が話し出すと周りが静かになる。感覚としては、ブレイブのようなカリスマに近い。彼女がスピーチを辞めた瞬間、ボサボサの髪の毛に汚れ切った服の、疲れ切った科学者のような風貌をした人物が話し出した。


「えーっと、これからクラス分けなので。あー、、、新入生のみなさんはここに三列に並んでください。はい。」


言われた通りに俺とシャルロッテが並んでいると、ブレイブたちが驚いた顔で駆け寄ってきた。


「おま、ペイン!すごい登場だな!!なんだ?どうやってやったんだ?あれがペインのスキルなのか?」


そう興奮したように早口で捲し立てるブレイブの後ろで、サラとリアも驚いた顔でこちらをみていた。そして俺はこう言った。


「あーいや。俺のスキル、、、ではないな。彼女の力を借りたんだ。彼女の名前はシャルロッテ。俺が迷ってたところを、助けてくれてな。」


 俺のスキルも成長したらあれくらい出来るんだろうか。俺はこの数日で『微動』というスキルのあまりの可能性の多さに密かに興奮していた。

まずは空気の振動を止めることで相手が発する音を0にできる無音サイレント、後は地面に向かって放つ微動。分子を激しく揺らすことで、固体を液体へ変えることができる。が、強力な能力ゆえにどちらもお世辞にも使い勝手いいとは言えない。一発放っただけで体中の魔素が全てなくなってしまう。その上範囲を広くさせすぎると発動もせずに魔素だけ持っていかれる。 今の限界は畳半畳ぶんってとこかな。


俺はそこで列に並んで何をしているのか前を見た。そこには、数十人の人が新入生たちに色のついたバッチを渡していた。

そこで俺はあれが何なのか、サラに聞いてみる。


「あれは、自分が所属しているクラスをわかりやすくするためのバッチだよ。下から、普通クラスの青、選抜クラスの黄色、特待クラスの赤、その上にも紫があるんだけど、そのクラスは将来この国を担うとも、変人集団とも言われてて、、、実際は、よくわかんないんだ。」



そんなもんか。せめて黄色には入りたいな。普通クラスはいかにも馬鹿にされそうだ。


そうこうしているうちに、俺たちの順番になった。


「おお!俺は特待か!名に恥じぬよう、頑張っていこう。」


みなさん、これ誰でしょう。そう、ブレイブですね。リアやサラも同じく特待クラス。はあ嫌だなあ、、俺だけ置いてけぼりかあ、、、。そんなふうに思っていると、後ろで歓声が聞こえた。


「すっげぇ、、、紫?今年3人目だぞ!」


「こんなこと、ほんとにあるんだ、、、。」


 その紫色のバッジを手にしたのが誰かと思えば、俺がついさっき知り合った人物だった。そう。シャルロッテだ。


、、、はあ、嫌だなあ。やっぱ俺だけ置いてけぼりかよ。


 そう思い落ち込んでいた俺の手にも、バッチが渡された。

俺は嫌々ながら現実と向き合う覚悟をし、そのバッチの色を見た。






紫色だった。そう、紫色だったのだ。

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