第59話 シンボルビア森緑に入界

第59話 シンボルビア森緑に入界


レクサム『真偽の天秤は、あれだ…』


シンボルビア森緑の入り口には、巨大な天秤が佇んでいた

周りには、多くの魔導兵が配備されている


レクサム『ここは魔導協会も直接関与している多くの魔導兵達は、魔導協会が配備しているんだ。』


シェルピー『と言うことは…魔導将軍さんも何処かに…』

レクサム『魔導将軍は居ないぞ…』

シェルピー『それは一体何故ですか?』


レクサム『勝手に侵入しても生きて帰れる奴が今まで居ないからだ。』

レクサム『お前らは閲覧板を見てなかったが、現在ここは…魔龍と呼ばれる存在の活動区域になっている』


レクサム『あの魔王よりも上の存在が此処には居る…』

レクサム『魔王の討伐難易度を知っているか?お前ら…俺がビビってた理由になる』


ゼイル『強いて星8くらいだろ』

シード『かつては、英雄軍の人達も討伐して周ったと言われていますからね』


レクサム『どんなに弱くても問答無用の、星10だ。それ以上は無い難易度だ。』

ゼイル『と言うことは…』


レクサム『ああ…こいつらは魔王に会ったことの無い経験知らずだ。俺達はあれで運が良かった…魔王の強さに直接触れられたからな…』


レクサム『おそらく…魔王グラドールは、今この世界に存在する10体を越える魔王の中で最も力が低い…そう思え…』

レクサム『英雄軍が活躍していた時代には、魔王は50は存在していたらしい…』


レクサム『大昔では100の魔王が君臨し支配していた…』

レクサム『今でも…増えつつある…無から誕生する存在だ。』

レクサム『いつ何処で出くわすか分からない…』

レクサム『パメラの転移魔法が生き残る鍵だ。』


レクサム『真偽が始まるぞ…覚悟は良いか?』


私は魔王という存在が、かつて…多くの人々を恐怖で支配していたとは、思っていなかった…

人を迎え入れる受け入れる魔王も存在する

魔王にも感情がある例えそれが…嘘であっても人と分かち合えた時点で不可能では無い

そう思いながら私は、真偽の天秤を受けるのだった。


グラドール『先程はあのように申しましたが…このようについてきてしまいました。私の特性と魔法術を破って魅せた貴女様に…私は囚われてしまった。』


?『クゥーン』

グラドール『先程道半ばで、思わず私に触れてしまった魔の存在に、すっかり懐かれてしまいましたね…困ったことです。』


グラドール『私の紋章術は、触れた者を催眠によって操ることも惹かせる事も致せます。無意識に「暗示」を掛ける紋章術…もちろん肩に触れてもですけど…魔の存在ならいくら操っても許されるでしょう…貴女様のお力になれることを…私は光栄に思います。』


グラドール『この青年の姿は、素晴らしい程の仕上がりでしょう…人間の女性から視線を感じますが…』


?『ワオーン』


グラドール『そうですか!あなた達もそう思いますか』

グラドール『見た目からして…あなた達はソルジャーウルフですね…バトルウルフさんも多少混ざっていますが…あなた達全員に存在を隠す「潜伏魔法」を掛けときましょう…これで…気配はおろか微量の魔力も感知されないでしょう…森緑大陸ではかなり凶暴とお聞きしますので…』


魔導兵A『よし!そこの冒険者!入界を許可する』

魔導兵B『次の真偽者前へ!』

魔導兵C『この反応は…公認魔法師であられましたか…』

魔導兵A『申し訳ありません公認魔法師様でも真偽を致すお決まりでして…真偽を…』


巨大な天秤が左右に傾く


魔導兵B(どんな人間も欲はある…それがどんな欲であれ…確かな悪がなければ此処を通していた…だが…1人だ。1人のその少女には…ただ一つも欲を感じられない…こんな事はありえない…少女の欲を見通すこちらが間違っているようだ。)


魔導兵B『真偽を確認入界を許可致します。どうぞこちらへ』


魔導兵A『現在シンボルビアは、とても危険な状態です。どうかお気をつけて』


ニイ『はい…ありがとうございます。』


魔導兵C『公認魔法師様に感謝された…今日は良い日だ。』


魔導兵B『少女であるとは言え…ただ一つも欲を持たない人間を今まで見たことがあるか?』

魔導兵A『この仕事を長い間続けているが見たことが無い…誰でも何かしらの欲がありいつか悪さもするもんだ。』


魔導兵B『夢だけだった…小さな一つの夢とそれが叶って…また新たな夢に変わっていた。』


魔導兵A『聞かないでおくよ…だってお前…』


魔導兵A『どう言う訳か泣いてるからな…』

魔導兵B『泣いてなんか…』

魔導兵C『泣いてますねー先輩』

魔導兵A『明らかに泣いてるよな!』


シンボルビア森緑 そこは豊かな緑に包まれる自然の宝庫だった

多くの動物達の話し声が聞こえてくる

私達の入界を、歓迎してくれてるみたいに


魔導兵A『次の者前へ』

グラドール『私ですね…』


魔導兵A『そこの動物は、お前のか?』

グラドール『そうですね…私のペットです』

魔導兵A『そうか…動物達を大切にするその気持ち…良し通って良いぞ!入界を許可する。』


グラドール『さて…追いますか…』

シュウゥゥン

バトルウルフ『ワン!ワン!』

ソルジャーウルフ『ワオーン!ガル!』

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