第6話 守護者の休日

ビー

ビー

街でブザーがなっている。

「…ん?……やばっ!寝過ごした!」

飛び起きて軽く電気と氷を操り、力の確認をする。

「って、今日休みじゃん!」

(焦ったぁー。寝よ。)

休みだったことに安心しながら昼頃まで2度目の眠りにつくのだった。


(…さすがに起きるか。)

時間帯は昼を過ぎ、夕方になっていた。

(午後の戦闘は見に行った方がいいよね。)

幹部が休みの日は1つの区画に複数の守護者が割り当てられる。休日なのだから戦闘区には行かなくてもいいのだが、幹部にとって守護者達は部下のようなものだ。戦闘で怪我をする場合も少なくないため、心配になる。そんな思いから結局幹部達は休日も管轄区に行くことが多い。戦闘時の動きについて、厳しく教えたり、怪我をしたら叱ったりするが結局は部下達が可愛いのだ。

(とりあえずご飯食べよ)

適当に身だしなみを整え、食堂に行く。


「いらっしゃいませ。どちらの定食に…リズさん!?失礼致しました。幹部の方はあちらのコースメニューからお選びください!」

給仕さんが驚いていた。

(定食でいいんだけどな。そんなにお腹すいてないし)

定食が食べたいと伝えようした時、

「あれ〜?リズちゃんじゃないか」

(めんどくさいやつが来た)

「もしかして、下級食でも食べるつもり?

似合うけど」

仕方なく振り返ると嘲笑うような笑みを浮かべた短髪の男性がいた。

(なんでいつも突っかかって来るの…)

「何食べようが私の自由でしょ。」

「そうもいかないよ。同じ幹部が下級食食べてるなんて恥ずかしいよ」

こんなフィオだが、No.5である。

(下級食なんて言っても一般人が食べてるものよりは豪華だし。好きな物食べさせてよ。)

「給仕さん、B定食ください。」

フィオを無視して給仕さんに伝える。

「えっ!?あ、はい!ただいま!」

今日は賑やかな昼食になりそうだ。


定食を受け取り机に着くと、何故かフィオがテーブルを挟んだ向かいに座った。同時にA定食が机に置かれる。

「なに?自分も定食食べるんじゃん。」

コースメニューの席は食堂の奥にある豪華な椅子だ。

「いやっ、下級の味を知るものいいかなって…一緒に食べたいし…」

先程の態度とは打って変わり、随分弱気な感じだ。声も小さすぎて最後の方はなんと言っているのか聞き取れなかった。

(フィオって急に態度変わるんだよね)

「ふーん。…頂きます。」

特に話すこともないので黙って食事を進めた。

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