第10話 まだ続く番外編 リバプールへの旅を「鉄」の視点から

 前回でやっとこの文章は終ると思われた方がほとんどだと思いますが、調子に乗った安明はまだ続けます。それもQUEENと関係ない、別の趣味である「鉄道」についてです。


 QUEENファンは日本にたくさんいらっしゃいますが、鉄道ファンもたくさんいらっしゃいます。鉄道発祥の地であるイギリスの鉄道について詳しい方もたくさんいらっしゃると思います。イギリスの鉄道について書かれたエッセイもたくさんあります。


 なので、まあ、どれだけ恥をかけるかという感じで書いてみます。


 まずは、第4話の、1990年1月12日(金)の、リバプール行きについて、「鉄」の視点から、思い出し思い出し書き足したいと思います。


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 朝7時30分、EUSTON駅に着き、リバプールまでの往復切符を買う。2等車で64ポンド(1990年1月当時1ポンド=約240円。よって64ポンド=約15,360円)。イギリスの国鉄(注:1994年の分割民営化前)は、曜日や時間によって割引運賃があるようだが、この日この時間は何の割引もなし。


 ホームでこれから乗る列車を眺める。電気機関車が12両の客車を牽引するリバプール(正確にはLiverpool Lime Street)行きInter City。電気機関車は90形(Class 90)。側面に90 023との表記がある。客車はマーク3A(Mark 3A)の12両で、前から1等車が3両、1等車とビュッフェの合造車が1両、2等車が8両。


 そうそう、イギリス国鉄初乗車は前日11日の、Stratford駅からLiverpool Street駅までだった。Liverpool Lime Street駅行きの列車は、Liverpool Street駅からは出ていない。不思議な駅名。


 1等車は座席の並びがが1-2列。2等車は2-2列。2等車はリクライニングなし。向かい合って間にテーブルがある席もある。我々はその席。(指定席か自由席か記録も記憶もないが、自由席だったか。)


 座席だけ見ると、普通車でも座席がリクライニングする日本の特急の方が勝っているが、テーブルのある席は広々としている。何よりビュッフェがあったのはよかった。(注:1990年当時は日本では在来線のビュッフェはすでに全廃。)あとで見たが、トイレもきれいだった。


 定刻から2分遅れて、7時52分にEUSTON駅を発車する。外はまだ暗い。EUSTON駅を出てからすぐに2駅に停まったが、そのあとはフルスピードで突っ走る。1時間くらい走ってやっと外が明るくなってくる。

 ビュッフェに行く。ジュース70ペンス、ビスケット40ペンス。


 リバプール駅に10時24分着。行き止まりのターミナル駅でホームは広く、車も入ってくるのでホームだか地べただかわからない。


 初の海外長距離鉄道旅。現地駐在のO氏が同行してくれたとはいえ、不安と期待が入り交じった旅だった。しかし、切符はちゃんと買えたし、景色やビュッフェも楽しめたし、まずは無事に着いてホッとした。


 帰りの列車は、きちんとした記録がないが、おそらく行きと同じような編成のInter City。先述のように、15時46に、定刻より1分遅れてリバプール発。1時間もすると外は真っ暗になる。


 車掌さんが来て、「Ticket please.」と言うので切符を差し出すと、そのまま持って行ってしまった。見ていると、切符をチェックするだけの場合と、持って行ってしまう場合がある。行き先によって違うのか。EUSTON駅では、切符なしで出られるのだろうか。


 18時13分、ロンドンEUSTON駅着。もちろん切符なしで出られた。


 行きも帰りもほぼ定刻。初の海外で、初の長距離列車、そして憧れだったInter City。決して豪華ではなく、機能的という感じの列車だったが、第4話のところで載せた機関士さんのご親切もあり、楽しく、印象的な列車旅だった。



 この時の体験が、3年後のロンドン・エジンバラ日帰りという無茶な列車旅に繋がることになります。と言って、少し経ったら「番外編」を続ける「伏線」としたいと思います。(笑)

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