第3話 養成所へ


おかしい。そのノートは、自分の部屋に隠してあったはずだ。


「ナイトの考えることは全てお見通しよ、何年ヒーローやってると思ってるの」


そのいや、さっき親父が母さんも仲間だと言っていたな。


「母さんもヒーローなのか?」


「そうよ、まだ現役だからね、でも何やってるかは、秘密よ」


「それで、このノートのコレがいいじゃない!」


母さんがノートをペラペラめくっている。


「『封印されし、我が力よ、解放せよ!変身!』がカッコいいわよ‥‥」



「ぐっ!嫌だよ、そんな中学生のときに、書いたやつなんか!」


「えーー、せっかく選んだのにー、そんなこと言うナイトには‥‥‥」


「えいっ!」


母さんが変身ベルトの青ボタンを押してしまった。


『詠唱を認証しました、ただ今からヒーローに変身します』


「えっ?母さん何してんの?てか、俺まだ詠唱してないんだけど!」


自分の周りが急に青白く光って、頭に何やら被らされた気がする。


『変身を完了しました』


どうやら、変身し終わったみたいだ!


「おー!カッコいいぞ!ナイト!」


「若い時のまおさんよりは、劣るけど充分カッコいいわよ、ナイト」


「スズさん、なんか照れるな‥」


親父が照れている。このバカ夫婦め!


それより、自分がどういう姿なのか、わからないので、洗面所にある鏡に向かった。


鏡の前に立つと、たしかにヒーローっぽいけど、ヒーローものに、黒っていたっけ?


全身黒だ!マントも黒、頭に被っているヘルメットみたいなヤツも黒、ヒーローというよりは、悪役のような気がするけど‥


胸にも、なんかCと大きく書いてある。

親父に聞いてみよう。


リビングに戻る。


「親父、この胸にあるCってなんなんだ?ヒーローならHじゃないのか?」


「ナイト、Hはダメなんだ、だいぶ前から先約がいるからな!」


「そうなんだ、いろいろあるんだね」


「それで、そのCは、秘密結社中二病ヒーローズの頭文字のCだ!」


「なんだよ、そのふざけた名前は?」


「ふざけていないぞ!これからナイトがはいる会社だ、まっ、表向きは普通の会社だけどな」


「えー、その会社に入らないといけないのか?」


「決まりだからな、それとさっき栄光に聞いた通り土日に、3ヶ月間ヒーロー養成所に行ってもらう」


「養成所ってどこにあるんだよ?」


「ナイトが通っている高校にあるよ」


「えっ、嘘!」


「実はなあの高校には、秘密があってな、詳しいことは、養成所の先生に聞いてくれ」


養成所か。どんなところだろうか?


「ちなみに、表門からはいるなよ、裏門から入るように!」


「裏門?そんなのあったけ?」


「一般の人は、知らない門だからな、今週の土日の朝からだ、頑張れよ」


「はぁー、わかったよ」


あまり乗り気じゃないけど仕方がないか。


自分の部屋にリビングから向かう。


「はっ!そういやまだ変身していたままだ!」


急いで、リビングに戻る。


「そのいや変身を解くにはどうすれば?」


「そのベルトに、白ボタンがあるだろ、それを押すだけで、いいぞ」


「それだけ?詠唱はいらないの?」



「ああ、いちいち詠唱していたら、めんどいからな」


ふと時計をみると、もう夜遅い時間だ。


「そうか、ありがとう、じゃおやすみ」


「おやすみ、ナイト」


2人が寝室に入っていった。


数日後


何事もなく平日が過ぎていき、土曜日になった。


俺は、今高校の裏門の前にいる。


いつも通っている高校なのに、なぜか緊張している。


「よしっ!」


気合いを入れて、不安な気持ちを抱きながら、門の中に入る、ナイトだった。




終わり。














  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

中二病ヒーロー 〜秘密道具から始まる物語〜 もっちゃん(元貴) @moChaN315

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ