第2話 こんなふざけた選択肢ならチート主人公は生まれない
あれ、勇者と魔王の欄に注意書きがある?
※勇者と魔王を選ぶ方へ注意点
・この2職業は最強の力を持って生まれます。
・その代償として勇者に至っては国民から賞賛を得られますが、その道は険しく何度と死に目にあいます。
まぁそれくらいならいいか。
そりゃ勇者だしそういう出来事を乗り越えてこその強さがあるんだ。
いや待て、続きがあるぞ。
・それだけでなく、勇者を選べば友達や恋人は生涯できず、童貞として死に絶えます。
・もちろんヒロインの選択は無効となります。
……なんじゃそりゃァァァァ
ハッピーエンドだけどバッドエンドだよォォォォ!
そりゃ強いのは嬉しいけど、重荷が凄すぎる。
童貞はキツいよ勇者様。
勇者なんてのはヒロインがいてナンボでしょ。
で、魔王にも注意書きがあるようだが。
※魔王を選ばれたあなた
・嫌われます。とにかく嫌われます。
・最強ですが、勇者に倒されることとなります。
・生涯童貞です、もちろんヒロインの選択も無効で す。
……なにバッドエンドにバッドエンドのっけてんのォォ!
誰がそんなバッドエンドまみれのミルフィーユ作れってゆったんだよォォ!
却下だ。却下。
ええ、じゃあもう他の職業しかないじゃん。
何がチート主人公だ。
えっとじゃあ俺が選ぶのは……
《魔法剣士》
ピロリロリン───
この辺が妥当だろ。
魔法も使いたいが、近距離での戦闘も有利に運びたい。
あとは戦闘力とユニークスキルでチートを目指そう。
で次は……っと。
《戦闘力》か。
・戦闘センスピカイチ。
魔力量も秀でていてその力で偉業を成すことも可能。
・戦闘センス、魔力量共に平凡。
・戦闘センス、魔力量皆無
さすがにこれは1番上の選択肢だろうよ。
戦闘センスピカイチの魔法剣士なんて勇者より強そうだし、これでもう決定だな。
いや……待て、またも注意書きだ。
もうバッドエンドはやだよ?
※戦闘センス、魔力量共に秀でている戦闘力を選んだあなた、もちろん代償がついてまいります。
分かってたさ。
どうせそんなこったろうと思ってたし。
で、なんだ?
・余りある戦闘センスと魔力量によって人々はあな たを恐れ、近づかなくなります。
・もちろんヒロインも選択できず童貞として子孫を残せず孤独に死にゆきます。
何ださっきから強さか人望かみたいな。
0か100じゃん。
こんなもん平凡しか選択肢ないじゃないか。
誰が皆無を選ぶんだ一体。
待て、皆無の下にも注意書きがあるぞ。
※戦闘センス、魔力量皆無のあなた、そんな可哀想なあなたには人望を差し上げます。
その相手想いな性格からたくさんの人に囲まれ幸せに過ごすことになるでしょう。
異世界では一夫多妻制が導入されていますので、あなただけのハーレムが築けるかもしれません。
ゴクリッ───
……いけない、ヨダレが出てきてしまった。
決してヤラシイことを考えているわけではない。
その幸せな人生を想像しただけだ。
皆無のくせに幸せなスローライフだなぁぁおい!
悩む、悩むぞこれは。
よし、俺は……幸せなスローライフをっ!
震えた指で皆無の選択肢にゆっくりと触れて……。
……?
あれ、ピロリロリンって鳴らないな。
よく見たら皆無の文字だけ少し薄くなっている。
「あの……メリュシーナ様、選択肢を選べないんですが 」
「え、あぁ定員オーバーですね 」
えええええええええっ!
どんだけスローライフハーレム人気あんだよ!
転生する男共はクソばっかだなぁおい!
ちょっとは強くなる気持ちを持てよォォ(俺を含め)!
しかもさっきから気になっていたが、メリュシーナのやつ透明な空間みたいなものでソファを創造し、空間ディスプレイみたいなものでテレビを見てやがる。
どうりで気の抜けた返事だと思った。
ただ、テレビを見て、ゲラゲラ笑っている。
さっきまでの品はどこいったんだ。
……はぁ。俺はなんて運が悪いんだ。
これじゃ選択肢はひとつじゃないか。
《戦闘センス、魔力量共に平凡》
ピロリロリン───
次は定員オーバーになる前に素早く選ぶんだ。
《ユニークスキルの有無》
・生まれながらにユニークスキル(戦闘特化)を持つ
・ユニークスキル無し
これももちろんユニークスキルを選びたいが……。
※ユニークスキル持ちのあなた、一生童貞。 ヒロイ ンなし。
やっぱりなぁァァっ!
ってもう書き方も雑さを帯びているんだが。
こうなったらヤケクソだ。
意地でも童貞は卒業してやる。
ちなみに俺は現実世界でも童貞なのだ。
彼女はいるが、まだ付き合ったばかりで手も繋いでいない。
とてもラブラブだったのでこれから色んなことできると思っていた。
くそっ!だから異世界転生なんてしたくなかったのに……。
《ユニークスキル無し》
ピロリロリン───
次はいよいよヒロインだ。
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