第13話 ビャクヤ=白夜って…コト!?

(今年度と平均値が違う…)

「これは、いつのものだ?」

そう問うと、ビャクヤと言う名の彼女は暫し考えを逡巡して、

「…確か、去年、だったかな…」

「去年か、了解した。」

「えー!小6で勇者!?ヤベェなコイツデキるヤツだ 

 ぜ」

「いや、それ程の者じゃないよ?」

(…確かに、去年の平均値と一致している…)

それから、ビャクヤの一神亭での保護を受け入れ、生活する中でのルールをひとしきり教えた。

「説明は以上だ。何か、聞きたいことは?」

「特に無いよ。」

「了解した。それじゃあ、今から宜しく頼む。

 俺は雅人だ。」

「さっき見たかもしれないけど、私はビャクヤ。

 時雨ときさめビャクヤ。宜しく。」

「我こそは!r」

「澪ちゃん、でしょ?宜しくね。澪ちゃん」

いつもとは違う面子がいるからなのか、テンションが高い澪の自己紹介をビャクヤは軽々受け流す。

「な!せ、せめて自己紹介くらいさせてよー!」

「…すまんな、うちのバカが」

「ふふふっ、大丈夫。似たような人が、私の知り合

 いにもいたから。」

どうやら、身寄りの無いビャクヤにも、バカと呼べる知り合いがいたらしい。少し興味はあるが、流石に人の、ましてや身寄り無い人間の過去体験を聞いて共感するほど、雅人の心は馬鹿げていない。

「…そうか。お互い大変だな。」

「そうだね、アハハ…」

どうやら、彼女に皮肉は効きづらいらしい。

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