2章 時を繰り返す少女

第4話 

ぐわぐわと、世界が歪む。

赤黒い空がギギギ…と悲鳴を上げる。

「……君、『何回目の人間』だい?」

魔女が、杖を向ける。それとともに空よりも赤黒いモヤが身体に纏わり付く。身体がボロボロと崩れていく。

「わ、たし…はッ…」

声が出ない。

「…もういい。君の遺言はこれで何度目か、分か

 るかな?ー逆に、君は私以外の理由で繰り返し

 たことはあるのかい」

「………わ…からな、い」

「そうか。もう君も限界ということか。ならば、

 その身体の中にあるものを手放せばいい話だろ

 う?」

モヤが更に身体を蝕む。もう無理だ、ならば、なら…な…ら、あとは…つ、つぎ、の…

「ぁ、……ぅ…」

「…さようなら。また会うけれどね。」

そうして、私は繰り返した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る