第47話 デート 神奈川さくらpart

【神奈川さくらside】


  二番手はボクの番だ。

  舞ちゃんは上手くデートをしたようだね。

  二人とも楽しそうにしていた、ちょっと妬けちゃうね。

  お兄ちゃん恭介が猫好きなことはボクが一番知っている。

  ウチに招待してウタマル飼い猫をエサにしても良いけど、絶対にお母さんが覗きに来たり、お父さんが邪魔しに来ることは予想出来るから却下することにした。


  舞ちゃんが喫茶店の看板猫をダシに使ったのは意外だったけど、それならボクにだって考えがあるんだからね。


 ネコカフェ 紅い悪魔


 隣町にあるネコカフェだけど、ここならお兄ちゃんも気に入るはずだよね。

 お兄ちゃんをネコカフェに誘ったら、さっそく釣れた。


 ◇◇◇


 お兄ちゃんと一緒にカフェに入るとマスターのクワトロ=バージニアさんが迎えてくれた。

 イケオジ好きな美衣ちゃん好みのおじ様だ。

 今日はコスプレデーとかで昔のアニメのコスプレをしているとのことだけど……妙に似合うのは気のせいかな ?

 マスターにドリンクの注文をしてから、猫の居る部屋に案内してもらえた。

 初回サービスで、猫のオヤツであるチュ◌ルを渡される。

 部屋に入ると正面のキャットタワーの最上部に立派なお猫様が見下ろしていた。


「ハマーン様です。 ウチの店の女王様ですね。

 ペルシャ猫なので気位が高いから、たぶん下りて来ないでしょうから、他の猫を相手にすることをおすすめします 」


 ……納得、媚びを売るタイプには見えない。


「ウニャ~ン ❤️」


 一匹の猫が、お兄ちゃん恭介に近づいて……ピョンとジャンプして、お兄ちゃんが思わず抱き止めた。


「……その娘は、カテジナ。 イケメンの若い男の子が好きなんだ。 スマナイナ、君。 どうやら気に入られたようだ 」


 もう一匹、猫が近づく……そして、お兄ちゃんの足をよじ登り始めた。


「その娘は、クェス……カテジナの同類だ。 モテるな少年……いや、お客様 」


 ムゥ、猫に焼きもちを焼くワケでは無いけど、面白くないなぁ~。

 お兄ちゃんが嬉しそうなのが、妙にムカつく。


 ソファーに座ると、お兄ちゃんは猫に囲まれて猫まみれになる。

 マスターの話だと、ファラ、アルベオ、キエル、フレイと六匹の猫が、お兄ちゃんに甘えている。

 ボクの元には、シャクティと云う猫が申し訳なさそうにしていた。

 マスターの話だと、このお店にはメス猫しかいないとのこと。

 まあ、お兄ちゃんが喜んでいるから良いんだけど……


 一応、お兄ちゃんもボクも楽しかったから成功なのかなぁ~ ……


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