NTRな嘘つきたちのイケない関係

いーけないんだ。いけないんだ。せーんせいに言ってやる

　高校生の俺には付き合っている彼女の愛紀（あき）ちゃんがいる。同じ高校だ。

　でも彼女には秘密している関係の女の子が一人いる。

　葵衣（あおい）ちゃん。

　彼女とはセッ〇スパートナーと呼べるだろう。

　俺たちの関係は二か月前から続いている。

「よ。彰（あきら）。何してんの？」

　葵衣ちゃんの彼氏である秀樹（ひでき）が俺の後ろから肩を叩く。

「あ、いや……」

　葵衣ちゃんと今度やる日時を示し合わせていたところだった。

「どうしたんだよ？　なんでそんなに焦っているんだ？」

　怪訝な顔をしているが、こちらの秘密には気がついていないらしい。

　ほっと一安心していると、スマホを隠す。

「それよりなんだよ？　今日はずいぶんとテンション高いな」

「まあな。昨日……愛紀と……」

「え？　なに？」

「なんでもねーよ。それよりも、今日ゲーセンいかね？」

「ああ。いいね。俺に勝てるかな？」

「勝ってもらわくちゃ困る。おれはあぶれ者だからな」

「言ってろ」

　俺と秀樹はグータッチをかわし、離れる。

「彰、気づいていない？」

　愛紀が秀樹と話している。

　なんの話かは想像もつかない。

　そこに葵衣ちゃんも加わっているみたいだ。

　なんだか、自分だけがあぶれ者にされている気分だ。

　そういえば葵衣ちゃんに渡すお金を用意しないと。