好きになった人

うり北 うりこ

好きになった人


 好きな人がいる。笑うと片笑窪えくぼが可愛い、おしゃれ好きな子だ。

 

 好きな人がいる。自分を持っていて媚びたりしない、格好いい人だ。


 

 最初は苦手だった。女子女子した雰囲気に、高い声。誰にでも愛想を振り撒いて、心が見えない。


 はじめは怖かった。愛想がなくて、話しかけても無表情。見えない壁を作られていると思った。



 そんな彼女は、クラスの人気者に好かれたことで、やっかまれた。周りと上手くいかなくても、表情は笑みを形づくっている。

 気になった。傷ついてもなお、誰かと繋がっていたいと願う姿が。


 ある日、クラスで人気の男子に告白をされた。しまった!! と思った時には遅くて、クラスの輪から弾き出された。それでも笑っていられたのは、唯一ひとりだけ変わらない、あの子がいたから。

 気が付いたら、目で追っていた。ひとりでも凛としている姿にドキドキした。



「最初は苦手だったな……」

「私もだよ。でもね、私にはないものばかりだから、憧れていた気持ちもあったかな」


 誰もいない教室で手を繋ぐ。周りから見たら、私たちは親友だ。

 だけど、本当は──。

 

 

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好きになった人 うり北 うりこ @u-Riko

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