ふと窓外を眺めてしまった。

 夜の静かな空間では、特別な意味を持ち合わせているでもなく物思いに耽ってしまう。そうしてガラスに映る自分と目があったりすると不思議な感覚がする。真剣に物事を考えたりすると、今度はなんだか妙な心持ちになる。ちょっとした光景に目が止まって、我に帰ると少し可笑しい。ささやかだけれど、美しい夜を覗き込むようなエピソード。
 最後に頬杖をついて窓外を眺めてみると、紅茶の温かさと共に心中が緩やかになる気がする。