黒猫サファイア、危機一髪 !?

るしあん @猫部

黒猫サファイアと三毛猫さくらの日常【番外編】

ボクの名前はサファイア。

黒猫の女の子なんだよ。

ボクの勤め先は小さな本屋さんなんだ。

そう、ボクは本屋さんの看板猫。


ボクのお母さんも、お母さんのお母さんも本屋さんの看板猫と云う由緒正しい本屋の猫なんだよ。


今は本屋の娘さんである栞ちゃんが結婚したから一緒に住んであげている。

栞ちゃんの旦那さまが、冴えないオッチャンなのは我慢してあげるけど……


夜、二人が仕事を終えて晩御飯を食べた後、栞ちゃんと旦那である七之助、家族団欒に成るはずなんだけど……


この二人、まったく色気より趣味を優先するダメな大人なんだ !

栞ちゃんは読書、七之助は下手くそな小説を書いている。


七之助曰く、小説家の卵らしいけど……その卵、孵かえる前に腐らないといいねぇ~ ♪

そんなことより、二人ともいい歳なんだから、もう少しコミュニケーションとろうよ。

学校の遠足で疲れたのか八重と十八番エースは、すやすやと寝ていて、その寝顔をタマ妖狐ダイフクモチ人狼が見惚れていた。


「ねえ、ねえ、サファイア。 さっきから何をブツクサ言っているのさ !

せっかく、お兄ちゃん七之助のおひざで寝ていたのに台無しだよ ! 」


七之助が飼っていた三毛猫のさくらが文句を言ってきた。


「いい歳した猫又のクセに、いまだに子猫みたいに七之助に甘えている さくらには言われたく無いよ!」


猫魈ねこしょうのサファイアがドライ過ぎるんだよ ! 」


ドライ ? クールと言って欲しいね。


─── 臨時速報が入りました ───

突然ですが、筑波山に巨人が現れました。

それをきっかけに、日本中で似たような巨人が現れてパニックに成っています。

政府からのお願いです。

国民の皆さまは不要不急の外出は控えるようにお願いします。

ただいま、アメリカ合衆国政府から発表がありました。

在日米軍の出動を検討しているとのことです。

米軍出動の場合、ミサイルによる攻撃が予想されます。

国民の皆さまは、テレビ、ラジオ、インターネットなどからの情報を聞き逃さないでください。

次のニュースです。

奈良公園の鹿がストライキを決行して問題に………


「大変じゃ、大変じゃ、サファイアは居るか ! 」


変態爺……ぬらりひょんが部屋に入ってきた。

「眠っていた、だいだらぼっちが目覚めて、此方に向かっているのじゃ !

しかし、何故 突然に起きたのじゃろうか ?」


スースーと寝ている八重と十八番……

「今日の遠足は何処に行ったのか知っている、さくら」

「もう、ボケちゃったのサファイア !?

遠足だから、お土産の天狗饅頭をもらったでしょう ! 」


それだ ! 八重と十八番が、をタラシこんだんだ !

そのことを、さくら と ぬらりひょんに説明した。

「サファイア。 だいだらぼっち って、光の巨人みたいなモノなの ? 」

さくらは七之助の影響を受けすぎている。


「どちらかと云うと、進撃の巨……それどころじゃないよ、ぬらりひょん !

このままだと、此処に だいだらぼっち が来ちゃうじゃないか ! 」


◇◇◇

それからは早かった。

ぬらりひょんが全国の妖怪たちに、一斉メールをして協力してもらい、だいだらぼっちを説得して、再び眠りについてもらった。

まさに、米軍と自衛隊が出動する寸前で事なきを得た。

だいだらぼっちは妖怪と云うより神様に近い存在だけど、人間には同じに見えるだろうからね。

ボクたち妖怪と人間との間に亀裂が生じるところだったよ。

これからもなことが起こりそうで怖いよ、七之助親子のは留まることを知らないんだから !!

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