第2話 夢から醒めて

 紫苑が朝の日課である父の墓参りを終わらせた後、いつものように新聞のスクラップ帳を見ていた。

 紫苑が関わったこれまでの出来事を整理すると、ある共通点が浮かんだ。


 全てに花が関わっている。


 また、エキザカムの件は不明だが白百合と水仙の件では、花に関わっている第三者の存在が浮かんでいた。


 そう、長靴を履いた、見知らぬ男だ。


 そして、今日見た夢に出ていたある男性の存在も気になっている。


(このタイミング……花が関わる事件を調べている際中に花屋の男性の夢……)


 偶然にしては重なりすぎているのではないだろうか。

 紫苑は目を閉じ、椅子の背に凭れる。

 夢の中で、ある男性とどこで出会っていたか、思い出すためだ。

 ある男性に出会った夢を見た時にはっきりと紫苑が認識したもの、それは墓石である。


(墓地か?)


 紫苑は目を開け、パソコンで手あたり次第、墓地を調べた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る