読まれることのない手紙 十四通目

あのころ僕は、自分の気持ちを口にすることがなかった

気持ちを言葉にすると、嘘になってしまう気がしたんだ

君といるとき、いつも君が僕に話しかけていた気がする・・・


君の横顔を見ているのが好きだった

きれいに伸びた鼻筋

背中まであるまっすぐな黒髪

やわらかな唇元

自然にカールした長いまつげ

少し茶色がかった澄んだ瞳を眺めているのが好きだった


「なに?」 

首をかしげ、見入っている僕に君が問いかける

「なんでも・・・」 

僕はいつも、そんな風にしか言えなかったんだ


to Haruka from S

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