濁川探偵事務所 開設 (立志編)

妖怪老人びーる男

第1話 濁川お爺さんのスタート でっす

 2××4年1月9日、語り部として活躍?しているとは思えないのを隠して、年末にいよいよ僅かな蓄えも底が見えてしまう段になって、還暦を数年過ぎた濁川お爺さん何やら始めたみたいです。フルネームは濁川短ZAC(ニゴリカワ タンザク)と言いまして、父親の趣味からこのように名付けられたみたいです。人相風体と言えば、中肉中背で純和風の背丈にて胴長短足(本人は自覚無し)、悲しいかな幼少の頃の牛乳嫌いであと3cmの壁を越えれせんでした。


 そんな話は横に置いといて、濁川爺さん一か八かの年末ジャンボ宝くじ購入も、小当たり300円のみで夢も希望も何処へやら?で終了です。そこで、穏やかだった今年のお正月には、いよいよ真剣に生きていくための術を考え始めていたのです。もともと高校受験あたりの若かりし頃から年老いたみたいな現在に至るまで、推理小説やサスペンス、法廷物から刑事もの、さらには怨念や妖怪などちと世間から離れたものまで網羅して本が好きだったのです。生真面目な性格のせいで、成人してからは土方一筋、風呂上がりのビール飲みたさに現場で汗水流していました。


 よし、俺だったら人間の心の奥に潜んだ悪の本性やずる賢さ・策略を見抜き、機知にとんだごまかしは元より、トリック・小細工・密室事件など、お茶の子さいさいで解決できるはず。かの有名なホームズくんやポワロ、エラリー・クイーン、ミス・マープル、更にはブラウン神父に隅の老人、ぺりー・メイスンらとお知り合いだし、コロンボ警部や7人の刑事、そして87分署の面々が手伝ってくれると信じていたのである。最近は洋風から和風へ少し移行し、以前は嫌いだったおどろおどろしい妖怪や怨念などの心なども推察できるようになってきたと、本人は自信をもっている。


 よし! 其処ら中ではびこる悪を倒して弱者を助け、人類の平和と安全を守るために探偵事務所をスタートさせよう~と、動き出したみたいなのだが。


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