第3話 危機一髪(カクヨム短編小説のお題)

『そういえば、うちの階段って広くて両側に手すりがあって、こういう家って珍しいよね?』

と出木杉くんが言ってきました。


別に2階や3階に冷蔵庫を置く予定はありませんが、出木杉家は階段スペースが大きいので運び易くなっています。

天井には滑車もあります。


3階からストレッチャーや担架で人を運び出すのが簡単にできるくらいの階段なんて一般家庭では中々ないでしょう。

家庭の階段という感じではありません。面積は普通の階段の2倍はあるでしょう。


『実は、うちの家は設計段階から階段にこだわっているんだよ。

2階建て住宅は階段をちゃんと考えないと2階以上が死んでしまうからね。

事故に気をつけなきゃ万が一があるからね。』

『ヒヤリ、ハッとの法則ってのがあるんだ。子どもの死亡事故だと階段からの転落死ってのは少なくない。』

(作者も子供のころに階段から落ちた事があります。滑りやすく急階段でした。滑り止めを取り付けたら落ちなくなりました。)


『そして、お父さんも僕もお母さんも車は運転するけど、駐車場などではゆっくり走るでしょ?

あれはアクセルペダルから足を離して、ブレーキペダルだけに足を乗せて

運転しているんだ。

駐車場では必ずそうしてる。

こうすればアクセルとブレーキの踏み間違いは絶対に起きないからね。

オートマ車ならそうするべきだし、

それが普通になってもらいたいよね。』


『そういえば未来で車の運転やバイクの運転も習ったけど、未来では一般的に車やバイクの運転を子どもに教えるの?』


『あれは一般的じゃないよ。

一般的な車やバイクの運転くらいは

覚えた方がいいと思ったから、息抜きに教えたのさ。

助手席にいる時に、運転手にどう伝えるのかも、運転がわかっていないと言葉を上手く言えないからね。』


こうしてゴレくんが出木杉くんに運転などを教えているのも、出木杉くんを

信頼しているからです。


出木杉くんは他の子どもに自慢げに

『車やバイクを運転できる』と言う子どもではありませんから。


車やバイクは危険ですが、だからこそ

運転を学んで危険性を少しでも下げようとするのがゴレくんの考えです。

出木杉くんが車の免許を取ったら車を

改造してワンペダルにしてもいいかな?と思っています。

『ワンペダル』というのはアクセルペダルを無くして、ブレーキペダルの脇にアクセルレバーを取り付けて、足を捻ってアクセルレバーを捻るとエンジンの回転を上げ、スピードを上げる事ができます。危険だと思ってペダルを踏んでもブレーキペダルだけだから、

踏み間違える事はありません。

すべてのオートマ車がこうなれば、

踏み間違い事故はゼロになるのですがね。



そういえば、いじめっ子の取り巻きの彼は、よく自慢する子どもでしたねぇ。

出木杉くんは無視してますが。

あの取り巻きも有害かもしれませんねえ。


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ドームハウスの仮設住宅で新生活スタート! しゃあっ(大日本帝国ゴーレム艦隊連載中) @ZEROFACTORY8823

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