第40話 話せば少し長くなるけど、心やすらかになるといいね








  例えばそうだな、時の勢いのままに身を任せれば、長続きしないことなんて多いだろう。


 恋愛もそのうちの一つであり、ファーストコンタクトから畳み掛けると成功率が高い、あるいは傷が浅く済むので切り替えやすいのかもしれない。


 私の場合はそうだな、相手のことを段々と好きになっていくような傾向にあるが、気付いたタイミング次第で取り返しのつかないケースもある。


 今回の話がそうかもしれないね。


 例えば前々回のように、合コンという出会いの空間であれば、その場の状況を判断し、二つの選択肢が出てくる。


 一つ目の選択肢はそうだな、既に大勢が決していると判断し、中心から距離を置いて撤収の算段を立てる。


 二つ目の選択肢はそうだね、互いに興味があると読んだら、即行動に移すだけのこと。


 連絡先の交換、デートの約束をして翌日に改めて確認後、あとは二人の流れに身を任せて漂うってところだ。


 こういうケースであれば、己のハートに火をつけるタイミングがわかりやすい。


 では、合コンのようなケースに該当しない時はどうだ?


 例えば……一人で飲んでました、気に入ったからボトルキープして通うようになりました、他のお客さんと仲良くなりました、よく話すようになりました……おおよそこんな感じの始まりかたで、飲み友が誕生する。


 なお、ほぼ全員が酒飲んで酔っぱらってアホになっているため、あまりアテにしないほうがいい。


 アテは酒のお供にしておけよな? HAHAHA!


 そのうち仲良くなった飲み友の女性と一対一で話すようになる、連絡先も交換する、連絡する、会う機会が増えていき、いつものように飲んでいれば、なにかのきっかけで妙に距離感がバグる……そして一夜を共にする。


 だいたいこんな感じの流れから、ハートに火が着いてもっと好きになり、さながら恋人のようになるのが定番だった。


 この二つのケースにおいては、タイミングの違いこそはあるものの、私の中ではうまくいったパターンであろう。


 もちろん、それ以上に敗北していることもお忘れなく。


 よくある創作上の登場人物のようにはいかないからね? HAHAHA!


 しかしだ、前回の話の最後に出てきた人物とはどうだったのか?


 それについては、先に述べた後者のような始まりかたであった。


 ある日、色々とトラブル続きで飲み屋難民と化した私は、新しく開拓した飲み屋を気に入り、通うようになれば根城の出来上がり。


 そのうち他のお客さんとも仲良くなり、件の女性とも出会った時は、関西弁混じりのかわいいお姉さんと言う印象だったと思う。


 今回はさ、少し長くなる話だからね、導入はこんな感じでいかがかな?───。







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