第11話「謎の依頼篇11 騎士の生誕祭(蒼剣の騎士 」

「トリスタン、ダァジェしよう!」

ハァ⁈

う…酒臭いぃこの人どれだけ呑んだんだろ⁇

「なっ何もこんな目立つ事しなくても!」

「駄 目 だ!!

オレ達が目立たないとディユンは絶対、怖気付く!」

もぉぉぉお!

この人は、昔からこんな無茶ばかりッ‼︎

でも、ディユンには…怖気付いて欲しくない。

…やるしかないかぁ、もぉお…。

『『『『『「マルクス様ぁぁぁぁあああ!!」』』』』』

『『『『「ディメット様ぁぁぁぁあああ!!」』』』』

パシンッ

カシャン

カジャン

ガシ

「次、派手に行くゾ!」

「ぇえ!

それは、無理ですよ!練習も無しに!!」

「いいから!!カッコよくしてみせるから。

それ、行くゾっっ!」

もぉぉぉお‼︎

バササァ

クリン クリ…ン

デュイン‼︎

あんなに楽しそうだったのに。

呪いまで辿りつくのが、やっぱり遅かったんだ‼︎

顔色が悪い。

とにかく、デュインの不調が周りに悟られないようにしなくては‼︎

ガシ

「デュイン様!?」

「な?

カッコ良かっただろ?」

「は…はい…。」

良かった…倒れるほどでは、ないみたいだ。

「少し外に出てるよ。」

「はぃ。」


暗くてよく見えないけど、デュイン…。

なんて寂しそうな背中なんだ…まるで、暗いヤァマルの底にいるみたいだ…。

デュインは、あぁ見えてとても繊細だ。

きっとまた考え過ぎているのだろう。

呪いも心配だ。

「デュイン様大丈夫ですか?

少し飲み過ぎたのでは?」

「ああ、少しはしゃぎ過ぎた。」 

「あまり外にいると風邪をひきますよ!

もう、中に入って下さいよ…看病するの私なんですから…!」

「なんだ?トリスタン。

気にせずに行って楽しんで来い!」

「いぃえ、お側に居ります。」

私は、いつでもお側にいますよ…。

例え、貴方が少し我儘で自己中心的でも、こうやって暗がりで辛いのを隠してる…。

貴方は私が忠誠を誓ったロヮイェなんですから。

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