(8)三井達樹による

 夕暮れの教室。三井は友坂香澄とたった二人でいた。いつか感じためまいを思い出す。


 友坂香澄はクラス委員だ。誰も立候補者がいない中で“なんとなく見た目が真面目そう”という、ほとんどの者が彼女の内面など知らぬまま半ば押しつけられる形でその役割を得ていた。当人は乗り気でもなく、かと言って拒みもせず、といった風であった。

 クラス委員は簡単な連絡をクラスに伝えたり、提出物を配布したり回収したりするような役だ。皆が嫌がるほどには大した仕事でもない。

 だが確実に教師との接点は増える。三井は友坂香澄が職員室に訪れるたびに、彼女の顔立ちを目に焼きつけた。セーラー服の向こう側に隠された体と、すらりと露出した手足。流行りの色に染めていない濡羽色の髪。その全てを夜に持ち帰って邪淫の餌食としていた。

 同時に三井は警戒もしていた。これ以上の接触は良くない。これ以上友坂香澄の近くにいると願望が膨れ上がってしまう。己の邪悪さを肯定するのは、あくまでも夜の愉しみだ。

 その日三井は香澄に居残るように言った。クラスに配布する資料を作成するためだ。プリントをページ順に並べて半分に折り大型のステープラーで本状に止める。簡単だが面倒で少し時間のかかる作業だ。他のクラスでもそれはクラス委員の仕事ということになっていた。香澄だけが免除というわけにもいかない。

 三井は予備の教室に香澄を連れていき道具一式を渡して最低限に作業内容を指導すると、職員室に引き上げた。あまり一緒にいたくなかった。香澄は呑みこみの良い生徒なのでそれで充分だからだ、と自分に言い訳をした。

 日が傾くにつれて三井の胸がざわつきはじめる。終わったら職員室に来るよう言いつけていたが、まだ香澄はやってこない。あまり遅くなるのは良くない。遅くなると、夜が来てしまう。三井は香澄の様子を見に行くことにした。

 人気のない廊下はこつこつと寂しげな足音を反響させる。何かしらの運動部が威勢よく声出ししているのが遠くに聞こえる。校舎の端にある予備教室ともなるとますます人の気配はなくなった。

「友坂? どうだ、まだかかりそうか。」

 教室に入ると、机の上に積み上げられた資料が目に入る。作業は終わっているようだ。香澄は資料のそばでただぼんやりと立ち尽くしている。窓から入りこんでくる夕日が逆光になり表情は見えない。三井はいつものように見るともなく香澄の足に目をやる。スカートの丈は校則通りにひざ下でそれがかえってフェチズムを煽る。

「なんだ、終わってるんじゃないか。すぐ声をかけてくれれば良かったのに。なら、もう帰っていいんだぞ。ご苦労だったな。」

 三井が資料に手を伸ばすと、香澄がすっと一歩遠ざかった。……何だ?

「ん、友坂?」

 三井が声をかけると、香澄はさらに2歩遠ざかる。三井の心拍数が少し上がる。……警戒されている。

「先生。」

「な、なんだ?」

 夕日がまた少し沈み光の角度が変わる。香澄の表情が見えてくる。

「やめてください。そんな目で……見るの。」

 香澄の表情は恐怖に凍りついていた。眉間にしわを寄せ、目は見開いてこちらを仰ぎ見て、顎は震えてカチカチと歯を鳴らしている。少女の可憐さとは程遠く醜く歪んだ顔。―――夢にまで見た顔だ。

 見透かされている。三井がどんな目で香澄を見ていたか。三井の本性がどのようなもので、三井がどれほど危険で邪悪な存在か、彼女はもう見抜いている。もう三井に逃げ場はない。。もう我慢する必要はなかった。

 めまいを感じたのは脳だけだった。体はすでに動いていた。素早く香澄に駆け寄ると腰を抱えて床に押し倒した。馬乗りになり右手は香澄の左手を抑えつけ、左手は口を塞いで悲鳴を封じこめる。

「お、大人しくしろッ! この!」

「んーーーー!! んんッ!!! んんぅーーーー!!」

 香澄は両足を踏ん張って拘束から逃れようようとし、隙あらば大声を上げようと息を荒げ、かろうじて自由な右手で叩き、殴り、引っ掻いて反撃を試みる。だが三井の長い手足で抑えこまれると、弱点たりえそうな目や鼻のある顔面まで手が届かない。

 三井は少女がろくな反撃をできないと見ると、左手の拘束も解いて空いた右手を制服の上から乳房に押しつけた。乳房と呼ぶにはあまりにつつましやかなそれに想像していたような柔らかさはなく、まだ薄いしこりのような感触で、少女の肉体の華奢さだけが感じられた。

「これが……! これが少女の……友坂の感触か!」

「んんッ! んーんんッ!! んんーッ!!」

 香澄は両手で三井の右手を掴み、胸から引きはがそうと試みるが大人の、男の腕力に敵うはずがない。

「んんーーーーッ!!」

 ただただ呻き声で拒絶の意思を示すよりない香澄を差し置いて、三井は初めての感触を堪能していた。肉体をセーラー服越しに撫でさする。ただの布地がこの世で最も特別なもののような手触りを返してくる。

「こっちはどうだ? どうなってるんだ、ん? 友坂?」

 次に三井は香澄の下半身へと手を伸ばした。馬乗りの体をひねり後ろ手にスカートの中へ手を差しこんでいく。拘束を脱す隙だったが、香澄はその右手への抵抗を優先してしまう。足を必死に閉じるが、股間とふともものわずかな隙間から手が滑りこんでいく。

「うぅーーーーーーーーーーー!!」

「おぉ……」

 香澄の悲鳴と三井の嘆息が重なる。

 永遠に届くことがないと思っていた少女の秘所に布切れ一枚越しで触れている。それは想像していたものと少し趣の違った乳房と異なり、想像していた以上の柔らかさで三井の手を迎えてくれた。ふともものなめらかな暖かさを手の甲に感じながら、又坐に触れた指先は押した分だけ抵抗してくる弾力を楽しむ。

 ショーツ越しに圧したり擦ったりしていると、香澄はぼろぼろと涙を零しはじめる。そうだ、その顔が見たかった。三井はもっと少女を怯えさせるべく、その涙をべろりと舐めとってみせる。

「友坂ぁ……。」

「んぐぅーーッ!??」

 怖気の走る三井の奇行に香澄は身をよじる。

 下着越しの感触もたまらなかったが、もっと強い刺激が欲しくなる。三井はショーツに手をかける。香澄は足を振り回して抵抗したが、やがてふともも、かかと、つまさきと剥ぎ取られて行ってしまった。体勢的に見えていなかったその下着が無地の白であることを確認すると三井は破顔する。理想的だ。

「ずいぶん色気のないパンツを穿いてるんだなぁ、友坂。いや、いいぞ。先生はこういうのが好きなんだ。」

 三井は下着を鼻に押しつけ大きく息を吸う。

「これが中一の匂いかぁ。やっぱりマンガや小説とは違うなぁ。普通に臭いぞ、友坂? お前も嗅いでみるか。」

 アンモニアと汗の据えた臭いを肺いっぱいに吸いこみながら感想を香澄に聞かせる。素直な感想でもあり、香澄を辱めるためでもある。

「そうだ、これをやってみたいと思っていたんだ。」

 言うや否や三井は香澄の口の中にショーツを押しこんだ。

「むーーーッッ!」

 己の下着を味わわされて香澄は目を白黒させる。対する三井は呑気にその様子を観察している。

「ん、やっぱり吐き出せちゃうかな。あれもフィクションかぁ。」

 三井は香澄のスカーフをほどくと、下着を口に含ませたままその上から轡に縛りつける。さらに、自分のネクタイをほどき香澄の手首を後ろ手に縛り上げた。これで香澄はもう自身で拘束を解く手段がない。

「んん……ん……。」

 混乱と恐怖に支配され、もう香澄は涙を流す以上の抵抗ができない。

 しかし、一番混乱していたのは他でもない三井だ。

「(何をしているんだ、俺は?)」

 予備教室に入ってきてからまだ10数分と経っていない。その時までは多くの生徒に慕われる、職員室でも信頼のおける教師だったはずだ。

 それが、今の自分は何だ? 自分が教え子に投げかけた台詞を反芻する。俺が言ったのか、これは? 香澄の怯えた顔を見た時に湧いた衝動はあまりにも突発的で、抗おうだとかなんだとかいったことを考えさえしなかった。気付いた時にはもう少女を組み敷いていた。力づくで抵抗を抑えこみ、気味の悪い言葉で怯えさせ、少女の性に触れた。あまりにも手際よく拘束まで完了してしまった。何も考えていなかった。その全てを、三井は無心で行った。

 まるで他人事のような、実感のないまま確実に三井の人生は変わってしまった。

「(だめだ、考えがまとまらない。どうすればいいんだ。夢じゃないのか。なかったことにできないか。)」

 そんなことができるはずがない。引き返せない。もう取り返しはつかない。

「(あぁ、くそ。それなら、もう。)」

 眼下にはセーラー服の少女が転がっている。スカーフとショーツで猿轡を咬まされ、手は拘束されて身動きはとれない。そのスカートの内側には何も穿いていない、と考えると何とも言えないエロチシズムを感じる。引き返すことができようができまいが、あまりにもその光景は魅力的に過ぎた。

 三井は香澄の股に体を割って入れる。衝動で走ってしまった行為ではない。ここから先は、まぎれもない三井自身の意思で行う行為だ。

「み、見るぞ、友坂。」

 三井はゆっくりとスカートをめくり上げていく。

「むぅーッ!! むぅぅーーーーッ!!」

 香澄は抵抗して足を閉じようとするが、あまりにもかよわい。三井は意にも介さない。

 スカートが捲り上げられた先には少女のつぼみが待ち構えていた。鼠径部の交わる場所にわずかな陰毛が茂り、その下にすっと裂け目が通る。小陰唇はまだ完全に隠れており、一見するだけならそれは未踏の新雪のようだ。

「これが中一のマンコか……どれほどこれが見たかったか。」

「むぅぅっ、むぅーっ!」

 三井がこれに手をかけると頭上から香澄の呻き声が降ってくる。必死の抗議を無視してグッと左右に割り開くと、一点のくすみもないピンク色の花が開いた。頭頂にある、陰核が包まれているであろう包皮は小さく、そこから左右に伸びる小陰唇は未発達だ。陰唇が陰茎を膣へ誘導する役割を持っているとすれば、それはまだ性行為をするに足る性器ではないことを物語っている。さらに秘裂を押し広げてみるが膣口らしい穴が見えてこない。三井はそれらしい場所を手あたり次第押してみる。濡れていない粘膜はペタリペタリと指に貼りつくような感触で、少しでも擦れると香澄は「ヒィ」と悲痛な声を上げた。やがて三井は、疑念の声を上げる。

「うそだろ。これか?」

 ようやく見つけたその穴はしかし尿道と勘違いしてはいないかと疑うほど小さくペニスどころか小指が入るかどうかさえ怪しかった。

 だが香澄がレイプの被害者であるという事実が三井を勇気づける。少なくとも一度は、男を受け入れたことのある穴だ。

 三井は顔を近づけ臭いを嗅いでみる。やはり幻想にあるような花の匂いなどではなく、先ほど嗅いだショーツで感じた尿と汗の臭いをさらに濃縮したような臭いだ。思い切って舌を這わせてみる。ともすれば吐き気を催すようなえぐみが舌に伝わってくる。だがやめようとは思わない。これこそがメスだと実感できる。天使や妖精の類などではない。こんなにもグロテスクで浅ましい、交尾をするための肉を持った獣なのだ。三井の陰茎は痛いほど勃起していた。

「むぅうーーーーっ! むぅッ! うぐぅッ!」

 三井の舌が上下に往復するたびに香澄が首を振り乱して喚く。轡がなければその声は校舎の隅々まで響き渡っていただろう。

「ほら、暴れるな友坂。濡れてないと痛いぞ? ちゃんと先生の唾で濡らしてやるからな。」

 まるで教師が生徒に指導するような言い含める口調だ。押しつけがましい言い方で香澄の陰部を舐めしゃぶっていく。小陰唇をねぶり、尿道をくすぐり、膣へ舌を押しこむ。

「むぅッ! うぅッ! うッ! うッ!」

 そういった三井の与える刺激一つ一つに香澄の嫌悪の声が上がる。三井は楽しくてたまらない。陰核を包む包皮に指をかけグイと上に引き上げると、まるで勃起していない突起が露出した。お構いなしに口を押しつけ吸い上げる。

「むぅぅぅぅーーーーーッッ!!!」

 香澄は蛇のように体をよじらせて、今まで一番の大きな反応を見せる。ふとももは痙攣し、腹筋が波打っている。

「むぅぅぅーーー!! むぅぅぅーーーー! むぅううぅうーーー!!!」

 痛めつけるように吸い上げる。一呼吸ごとに香澄が跳ね回る。

「ハハッ! ハハハハッ!!」

 香澄のあんまりの様子に三井は高笑いを上げた。もう我慢の限界だった。三井は上着を脱ぎすて、ズボンとパンツを膝までずり下げる。香澄の髪を掴むとぐいと引いて下を向かせる。

「むぅ……むぅぅ…………。」

 そこにそびえ立っていた三井の肉塔を目の当たりにして、いよいよ香澄がもらしたのは激しい悲鳴ではなく、静かな絶望の呻きだった。

 三井は自らを香澄にあてがう。三井の唾液で濡らしこそしたが、香澄自身の潤滑がない膣は異物の侵入を受けつけない。柔らかな粘膜が摩擦で捻じれ、硬く狭い膣道はペニスをゴリゴリと圧迫し、三井と香澄双方が強い痛みを感じる。だが興奮状態にある三井は止まることができない。

「こ、このッ、このォッ!」

「…………ッッッッッッッ!!!!!!」

 香澄は悲鳴はおろか呼吸すらままならない。三井は腰を左右に捻じりながら少しずつ香澄の膣をこじ開けていき、やがて二人の腰と腰がぴたりと触れ合った。香澄の女性器が三井の男性器を完全に受け入れていた。

「は、入った……入ったぞ! ほら友坂! やったな! 入ったぞ!」

 まるで二人で協力して困難を乗り越えたようにはしゃぐ三井。香澄はヒュー、ヒュー、と音を立てて、酸素を求め肩を上下させている。

「あ……?」

 ふと三井の体がブルブルと震え出した。

「あ……あ、ダメだ、やばい、もっと、あ、もっとたくさん、あ、だめだもうだめだ」

 三井は全身に力をこめてこらえるが、奔流を押しとどめることはできなかった。

「だめだぁ……あぁーーー……」

 三井がビンと背中を反り返らせる。

「んぅ? ん? ん……!!」

 三井の様子がおかしい。香澄は、自分の中にいるペニスが特徴的な動きをしていることに気づく。跳ねるように脈打つ淫棒。かつて強姦された時にも経験したその動き。三井は射精していた。

「むううううううううううううううううううううううう!!!!!!????」

 香澄の体内に三井の精液が流れこんでくる。香澄は声の限り拒絶するが、もう全て手遅れだった。

 ぜぇぜぇと呼吸を整えながら三井が言う。

「ご、ごめんな友坂。先生、童貞だったかられただけでもう我慢できなくなっちゃったよ。もっとじっくり、たくさん楽しみたかったのにな。で、でも大丈夫だぞ。今日は先生、一回出したくらいじゃ全然萎えないみたいだ。このままもっとしてやるからな友坂。」

「むぅ! むぅ!」

 まるで香澄に求められているかのような言い様の三井。香澄は首を左右に強く振る。

 言葉通りその怒張は未だ勢いを失わず、香澄を内側から圧迫し続けている。三井がグッと腰を押しつけると、先ほどとは異なる手ごたえが返ってくる。たっぷりと香澄の内を満たした精液が滑剤かつざいとなってより自在に挿抜できるようになっていた。

「おおお、すごいぞ、ヌルヌルだ。そうだな、セックスはこうじゃないとな!」

「うむううう……! むううんううう……!!」

 香澄の襞がペニスにまとわりつく。神経を直接撫でまわされるような感触に三井は歓喜する。

 三井はいったん腰を止め、セーラー服の裾に手をかける。

「順番がめちゃくちゃになっちゃったな。おっぱいだ。おっぱい見せてくれ友坂。」

 捲り上げていくと、飾り気のない白のソフトブラが見えてきた。

「うん、えらいな。先生ロリコンだから、レースとかフリルとかついてるヤツよりこういう方がかわいいんだ。うれしいぞ、友坂。」

 なにも三井のために着てきた下着ではない。いよいよ三井の言動は支離滅裂となってきた。

「ここかな? どこかな?」

 両手の人差し指で左右の乳房を突きまわす。やがてコリっとした弾力を見つけ出す。

「……立ってるなぁ?」

 ブラをめくりあげると、確かに小さな桃色の乳首が起き上がっていた。

「んんぅ、んんんぅ……!」

 香澄が首を振って呻く。

「そんなに言わないでも分かってるぞ、友坂。感じてるわけじゃないんだよな? 暴れたりいじられたりして血行が良くなっただけさ。お前は強姦されて気持ちよくなるような変態じゃない。先生は分かってるぞ。」

 三井はあくまで教師面でいる。

 乳首を強くつねったり指先で転がしたりしながら、再び腰を振りはじめた。激しい挿抜でなく、ゆっくりと腰を回すような動きだ。香澄の奥に亀頭を押しつけてじわじわとした快感を楽しむ。

「うぅ……ぅ……ぅうぅ……」

 精液の滑りにより膣内を千切られるような痛みから解放されたことで、わずかなら香澄の反応が落ち着いてくる。目は虚ろでどこも見ていない。大きな呼吸でゆっくりと胸が上下している。そういった表情もそれはそれで三井の劣情を誘ったが、やがて物足りなくなってくる。欲望は際限なく肥大し続ける。

 乳首をいじっていた手を腰へ移し、パン!と乾いた音をさせながら股間同士を叩きつける。

「むぅッ!?」

 奥を叩かれふたたび鋭い声を上げる香澄。三井はそのまま香澄の膣襞で己の心地よい部分を扱く。自分が腰を振るのではなく香澄を前後させてペニスを出し入れする。香澄の軽く華奢な体はまるでオナニーホールのようだ。

「ふぐぅッ! ぐッ、うぁッ!? うぅぁッ!!」

 激しく上下に揺さぶられる度に香澄の肺から声が押し出される。動かすたびに喘ぎ声を上げる高級オナホだ。三井は香澄の声が聞きたくなってきた。轡越しのくぐもった呻き声ではなく、香澄本来の声だ。

「いいか、大きな声を出すんじゃないぞ?」

 香澄の顎を縛りつけるスカーフに指をかける。

「ほどくぞ、友坂。大きな声を出したらどうなるか……分かってるな?」

 香澄は震えるばかりで返答はない。

「分かってるな!?」

 三井は香澄の首を掴み締め上げる。

「おごッ!? おッ、おぉッ、おおッッ!!」

 香澄をたっぷりと苦しませて、気絶する直前に手を離す。

「ごほッ! お、ごほッ! う、ごふッ!」

 香澄は咳きこむが轡のせいで上手く空気を吐き出せない。三井はさらに追いこむ。

「分かったな?」

「んん! んんッ! んッ!」

 香澄が必死にうなずくの確認して、スカーフをほどく。下着もスカーフも唾液でベトベトになっていた。

 口腔が自由になると、再び咳きこみはじめる。

「げはッ! ごほッ! げはッ! ……はァ……はァ……」

 三井は香澄の呼吸が落ち着くのを見届け、第一声を待つ。

「…………もう…………やめてください……先生……」

 今にも息絶えようとしている小鳥のような声で言う。にんまりと笑う三井。ありきたりだが100点の回答だ。

「だめだ、友坂。まだ終わらないぞ。ほら、友坂の中に先生がいるのが分かるだろう? 全然萎えていないじゃないか。途中で投げ出しちゃだめだぞ、友坂。」

「そ、んなの、しらない……わたし、かんけいないです……」

「いいや、友坂の責任だ。この勃起は友坂のせいだぞ。最後まで面倒を見なさい。」

 口調だけは生徒を指導する教師のそれだ。今まで何人に生徒にそうやって正道を説いてきたのだろう。今となっては過去の話だ。

 三井は往復を再開する。香澄の喉から絶望の声が絞り出されていく。

「うあッ、やめ、て、もうやだぁッ、あッ、あぁッ、やだァッ、やめてぇッ。」

「大丈夫だ、友坂ならやりとおせるぞ! がんばれ友坂!」

 腰を振りながら身勝手な激励を吐く三井。

「やりっ、とおすって、それ、そんなッ、またッ、やだッ、それはやだぁ!」

 長く苦しい時間を耐えきったとして、先に待つのはすなわち再びの膣内射精だ。香澄の瞳からは絶望の涙がとめどなく溢れてくる。

「あぅッ、うああぁッ、やなんです、せんせい、なんでせんせいなのにッ、なんでぇ!」

「……くっ、う、うるさい! お、俺だって、ちくしょう!」

 教師としての倫理を責められ三井は動揺と怒りを覚える。

「ならなんでお前はッ! お前こそ! なんで俺をあんな顔でッ! お前だろうが!」

 香澄が三井をねめつけたあの恐怖と侮蔑の顔。あの顔が引き金になった。先に三井を教師として見なくなったのは香澄だ。だから三井は教師として振舞うことをやめてしまったのだ。それは第三者から見れば責任転嫁であり、三井にとっては真実だった。

「……あぁ、そうだ。忘れるところだった。」

 三井は脱ぎ捨てた上着を手繰り寄せると、ポケットからスマートフォンを取り出した。香澄は小さく悲鳴を上げると身体を精一杯ひねって顔だけでもカメラの画角から逃れようとする。

 最初に数回カメラのシャッター音。ついで動画の録画開始音が鳴る。

「やだッ! いやです撮らないでッ!」

「思い出だからな、ちゃんと残しておこう、友坂。まぁ、卒業アルバムには載せられないけどな、ハハ!! ほら顔をこっちに向けるんだ。どうだ、前にお前を犯したやつはここまでしてくれたか? せっかくの処女喪失だったのにな!」

 まずは結合部にカメラを寄せ、幼いヴァギナにペニスが出入りする様子をしっかり撮り、録画を止めずへそ、胸、首とアングルを上げていく。

「さぁこっちを向け、友坂。」

 顎を掴むと、レンズの方へ顔を向けさせる。一連のカメラワークで間違いなく友坂香澄がセックスをしているのだと分かる動画を作り上げていく。最後は引きの画で撮りながら思う存分腰を突き上げていく。

「ひッ、ひぃッ、やだ、あッ、あぅッ、うッ、やだぁッ、いやぁッ」

 狭い膣内を肉槍が削り取っていくたびに発せられる小さな悲鳴の連続。聞きようによっては喘ぎ声のようにもとれるその音声は全て鮮明にデータとして保存されていき、いずれこの動画を見ることになる誰かは、このか細い声を聞いて股間を隆起させるのだ。

「あーッ! あぁーッ! あぁぁッ! あーッ!」

 だんだん香澄の呼吸が深くなっていく。酸素が足りない、意識が遠のいていく。そのまま気絶できれば楽になれるだろう。三井はそれを許さない。香澄の奥を突き、揺さぶり、覚醒を促していく。

「ゆるし、ひッ、てぇッ、ゆるしてぇッ、やぁッ、むりぃッ」

 香澄にできることは何もない。ただただ時が過ぎ去るのを待つ。終わりは見えない。

「こっちを向け、友坂。」

 頬を掴みこんで無理やり口を開けさせる。

「噛むんじゃないぞ?」

 そう言うと顔を近づけてくる。三井がしようとしていることを理解した香澄は全身を捻じって暴れるが、肝心の頭部を抑えこまれて動けない。

「やえへッ! おえあいやあッ! いあぁッ!」

 おざなりになりはじめていた抵抗がふたたび激しくなるのを見て、三井は喜ぶ。

「ファーストキスだな?」

 強姦魔もそこは残していてくれたか。感謝すると同時に、気は合わないだろうなと思う。ちんこだけ擦れたらそれでいいなんて、情緒のない奴だ。

「不思議なもんだなぁ。これだけ犯されて汚されても、やっぱりキスは大事なんだよな。」

 少女に残された最後の純情だ。それを穢せると思うと心の中の最も暗い部分が満たされていく。

「お前のファーストキスは俺だ、友坂。この先何があっても、何をしても覆らないぞ。俺のモノだ、友坂!」

「あうぅッ! いあああッ!」

 三井は少女の唇にかぶりつくと、ぬるりと一気に舌を捻じこんだ。

「んむぅぅーーーーーーーーーーッ!!」

 香澄は悲鳴を上げながら、可能な限り舌を引いて逃げようとするが、少女の狭い口腔に逃げ場などない。生暖かくぬめぬめとしたものが絡みついていく。

「うぇ、うぇぇぁ、おう」

 ついに全てを奪われた少女は、汚らわしい舌がどろどろと蠢く度に悲しげな呻き声を上げる。そしてそれを奪い取った男は、感動と、表現しがたい粘着的な刺激に腰を震わせていた。甘い。無論、糖の甘さではない。味覚とは別の感覚がそれを甘いと認識していた。舌の上のざらざらした部分を擦ると寒気にも似た痺れが脊髄を走り、裏のつるりとした粘膜を嘗め回すと暖かな泥に体を沈めるような安堵を得た。空想では到底たどり着けない少女の味だ。三井の唾液が香澄の中に流れこんでいく。香澄は嫌悪感に眉をひそめながら、どうすることもできないままこれを飲み下していく。コク、コク、と喉が鳴る度に三井の興奮が限界に近づいていく。

「あッ! あぁッ! うぁッ! あぁぁッ!」

 三井の蠕動が激しくなる。乳首をいじり、舌を舐めしゃぶる。受け止める香澄の悲鳴は小刻みに鋭くなっていく。

「あぅッ! うぅッ、あぅッ! いやぁ! うあッ! あッ、ああぁッ!」

 小鳥の囀りに耳を侵され、ついに三井は限界を迎えた。

「よしッ、イくぞ! 射精すぞッ! 中だ! 受け止めろ友坂!」

「いやぁぁッ! いやです! いやなのぉぉッ! やだぁぁ!」

バシン、と激しく腰を押しつけ、香澄の最奥をえぐった。香澄の悲鳴がこだまする。

「いやあああああああああああああああああああッッ!!!」

 二度目の射精に、雄と雌は躰を震わせる。暴発した一度目と違い、歯を食いしばって辿り着いた射精だ。三井は視界が熔けるほどの快楽を愉しみ、香澄の眼はもう何も見ていない。

 三井は肩で息をする。

「ぜぇーッ……ぜぇーッ……」

 組み敷いた少女の絶望する顔。たまらない愉悦に浸る。

「はは、我ながら、ヤバいなこれ……」

 二度の射精を経てなお、ペニスはその硬さを失っていない。

「も、もう一度だ、友坂。いいな? こういうのを抜かずの三発と言うんだ。めったにないことなんだぞ? 憶えておきなさい。」

「……そ、んな……なんで……やだ……いやです……」

 香澄は信じられない三井の言葉に喉を震わせる。

「やです! もうしたじゃないですか! おわったじゃないですか!」

 香澄の非難を無視して三井の凌辱が再開する。

「いや、いやあああああああああああああ……ッ!!」

 香澄の地獄は、まだ終わらない。

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