第4話そして次なる午後の勉強は…。
さて午後の勉強だが、俺は午前中に積分の計算問題を、午後は積分を使った面積の計算問題を解くぞと、昨日の夜からこの日の勉強の予定を決めていた。
すると敏子さんは突然、iPadをカバンから取り出して、電源を入れた。この有栖川図書館では、無線LANが自由に、しかも無料で使えるのだった。
俺は敏子さんにこの疑問を聞いてみた。すると、
「今ハローワーク経由で、障がい者枠で熱供給設備の求人があって、それに応募したいの。でもそれに応募するためには、どうしてもたとえ未経験でもいいから、ボイラー二級の資格を持っていることが必要なの。筆記試験は基本的には、ボイラ協会が出しているこのテキストの中から出題されるから、それで午前中はずっとテキストを、読んでいたのね」
なるほどねと、俺はそう思った、そして敏子さんは続けて、
「ボイラーの試験は試験が終わったら、解答用紙に加えて問題冊子も、回収されてしまうのね。過去問は毎月実施している試験から、千葉の五井で出題された、上期から一回、下期から一回の、合計で年二回分しか公表されないの。しかも公表される問題は、総じておとなしい出題が、どうやら意図的に選ばれて公表されているケースが多いから。また私が今度東京の会場で受ける出張試験で出題された問題は、絶対に公表されないのね」
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