出会い

期待とは違った。男の言う通りだった。日本だからなのか、まだこの世界は捨てたもんじゃないと思えた。表札には石蕗と彫られている。「お邪魔します」玄関に入ると女の子が出てきた。両目の下にほくろがあるその子はとても魅力的だった。「この人だれ―なんで連れてきたん」可愛らしい声で聞く。「いやー俺ぇがこの子とぶつかっちゃってさ慌てて結界したらこの子飛ばしちゃって」頭を掻きながら説明する。何言ってんだと思いつつ隣を向いた。暗くて分からなかったが、俺の横にいる先生と呼ばれる人物は背が高かった。俺が言うのもなんだが170cm以上はある。そんな俺をはるかに超えるその身長は190cmあるんじゃないかと言うほどだった。「まぁ立ち話じゃなんだから食べながら話そうじゃないか」そう俺を食卓に案内した。あの子も理解したかのように「でもまだ分かんないから」とエプロンを脱ぎ椅子に座った。今日はついているのだろうか。なにか面白いことが起きるという考えが頭を覆った。

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