第10話


「・・・」


家に帰ると、妹が居た。


「お兄ちゃん・・・」


「・・・」


「お兄ちゃん、その」


「わるい、今は話しかけないでくれ」


「でも、お兄ちゃん!!聞いたよ。冤罪だったって」


「・・・」


「私ね。お兄ちゃんのことを信じられなくて、でも、してないとも内心は思ってたの、なのになのに」


妹は泣く、そして


「ごめんなさい。ごめんなさい。お兄ちゃん、私信じてあげられなくて」


俺は謝る妹に、怒りが湧いた。


「俺は別に冤罪だと判明してないだろう」


「えっ」


「それに、お前は現に被害にあったんじゃん。それは冤罪でも何でも無いよ。俺の生き方の問題だよ」


「・・・っそ、そ、それは、全部、私が私が」


「俺、この家出ていくから」


「そ、そんな」


「じゃあ、俺は準備進めるから」


「待ってよ、お兄ちゃん」


優は妹の声を無視をして部屋にはいる。


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