第7話

春視点


私はずっと、ずっと優に恩を返したかった。


私の今生きてるのは優のおかげだ。


だから、優がどんなに拒んでも私を恩を返し続ける。


最近は私の気持ちに気づいてくれたのか、恩を返さなくていいとは言わなくなった。


私はずっと何度も返し続けたいんだ。この命があることが恩なんだから


_________


痴漢の事件の時、頭が真っ白になって、恩を返そうと思った。


恋愛的にも好きだった。そして思った。もしかすると私なんてずっと興味がなくてうざいから返さなくていいと思ってたの??


だから、私じゃなくて、他の人を・・・


_________


そして、真実を知った。学校から連絡が来て、私はまた頭が真っ白になって絶望のどん底に叩きつけられた気分だった。


あの時より苦しい。あの時はもうダメだと諦めたけど、今はその時と違って何倍も、何倍も苦しい。


私は恩を仇で返してしまったことを自覚する。


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