第13話


戦闘描写…難しい…

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「チッ、重式『案内』!」


魔法の発動するのと同時に火薬が爆ぜる音が聞こえる。


―― だが、その凶弾は僕には届かない。


「…は?」

「どうした?年か?」


魔法で防御をする事は今の僕には無理だった。

何だよ、電磁パワーのシールドとか六角形の球状のシールドとか。


そこで諦めた僕は別の方にシフトした。



“別に真正面から受け止める必要なくね?”

“攻撃によって使う魔法変えたらよくね?”



これらの考えの下、銃弾に対しての対処は、こちらに向かってくる銃弾をする事でダメージをゼロにする!!


その結果、今劇の心中は穏やかではなかった。

(な、なんで!?魔法でガード?した??いや、でも魔法で、え?)


その結果、彼の中で一つの結論が出来た。


(そ、そうか!こいつも俺と同じ、魔法を宿した“魔道具”の類を持っている!そうに違いない!!)


間違ってはいない。

無常が魔法を宿したコートを所有しているのは、間違ってはいない。


「『あらかじめ設定した催眠系魔法を発動する魔法』『体内の血液を増やす魔法』。」


自己催眠と赤血球で身体強化を行い、階段を登っていく。


魔力を纏う事による身体強化はまだ使わない。

何せ、1秒間で100MPも使うのだ、マジでMPの外部供給方法があれば…


そんな事を考えていると、今劇は逃げ始めた。


「お前達は足止めをしろ!」

「「「「はい。」」」」


虚な目をしながら、弾丸を再装填する。


(…慣れてる…?いや、銃を上手く扱える演技をしているのか!)


彼らとの距離はあと10歩。


二度目の凶弾は―――― 僕の脳天に直撃しようとしていた。


「!?」

だが、魔法という法則は絶対的なモノ。

銃弾は歪な軌道で俺の視界から外れた。


(少しは驚けよ…)


今の、人形と化した彼らにだったら、言える。

本当はこんな事、言いたくない。

僕が弱いから、こんな事を言うしかないのだ。


息を吸って、俺から見て右にいる男の方に向かって進みながら左の方にいる高橋さんに向かって小さい壺を投げる。


そして――――俺は天秤に誓った。


「―― 俺は神之門だけを助ける。それ以外は俺は助けない。」


あらかじめ自分自身の行動そのものを制限することによる対価の増加。

あと30秒で今劇には重い徴収がされる事だろう。


そもそも彼ら全員を救う事は土御門からのメールが来た時に無理だと判断していた。


何せ、元々死んでいるのだ。


――だからこそ、救えたら救う。


自分にとって、救いたいと感じた人なら尚更。


人の命をお前が選ぶとか傲慢じゃないのかって?


傲慢で結構。救いたい奴ぐらい選ばしてくれ。



彼らから一列となる位置に移動して、

――――――指を、鳴らす。

「――ごめん、高橋さん。」


その瞬間、壺が爆発した。

あらかじめ付与しておいた『ランダムで低級霊を召喚する魔法』が発動して、召喚だけを行なった結果、エネルギーを維持できなくなり爆散したのだ。


感覚的に言えば、破片が飛び散る手榴弾と言えようか?


壺のカケラは俺の真正面にいる男の背中に刺さり、石の階段に誰かが転げ、落ちる。


――あ、高橋さんの顔だ。


煙で一瞬わからなかったが、すぐに分かってしまった。


「あ、」


――考えんな!まずは目の前の事を終わらせろ!――


「『ヤスリ』!」


目の前の男に向かって敵意を向け、『体全体にに30秒間ヤスリを纏わせる魔法』を右腕だけに集中させていく。


魔力は問題なし。

時間は5秒で。


MP毎秒100の右ストレートが男の胸に突き刺さる。


ドンッ


歪な破裂音なんか気にしない。



胸、腹、左肩、右脇腹、右肩、胸。



6回の拳は相手の肉体の形状を保っていなかった。



「次……………あれ?」



次の操り人形を倒そうと身構えたら、もう誰も立っていなかった。


先程の壺爆弾で高橋さんを含む、3人を持って行ったらしい。


まぁ、避けようともせずに真正面からくらったらそうなるのだろう。



「…今劇はどこへ行った?」






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