これまでのあらすじ


  これまでのあらすじ



もう何にも分からない

空気ばっか当てにして

アポロが月面に降り立った

脱いだ金魚鉢が浮遊する

水草が不思議に揺れる

ずっと夢の中で生きて来たから

枕の形が戻らない


濡れる指先 手には泡

傷つき 傷つけ 荒れる肌

いずれは泡も雫もこの僕も

全て 全て同じ形になっていきますように

あぁ ディスポーザーから 磨り潰したレモンの匂い

ついていけるか分からない


人工島から浮いていく感覚がする

あの鉄塔が遠ざかっていく

ポッケの五〇円をいじりながら

隣の星を書きつける

落とした消しゴムだって

きっと誰かの食事になる


あの旗を折って

星々を渡りたい

骨折って宝物になって

月の裏にある空洞で

僕は何年も

旅人を待つ

  

僕はみんなの時間を無駄にする

なぜなら

みんなだけ 日々 生きているから

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